研究課題/領域番号 |
24241075
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
高橋 信弘 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80293017)
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研究分担者 |
三浦 豊 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10219595)
泉川 桂一 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (60625713)
吉川 治孝 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60709567) [辞退]
礒辺 俊明 首都大学東京, 理工学研究科, 名誉教授 (70106607)
石川 英明 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (80625715)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ガン治療 / 抗がん薬 / エピジェンティクス / 転写抑制 / リボソームRNAプロセシング |
研究実績の概要 |
本研究は、LYAR の発現量が多くのガン組織・細胞で増加し、rDNAの転写を促進していることから、それを阻害する化合物のスクリーニング系の確立とその探索を目的としている。LYARの薬剤誘導発現細胞株を使用したスクリーニング系は構築できているが、この方法は、細胞破砕物とスクリーニング化合物の混合、LYARの免疫沈降による回収とそこに含まれるターゲットタンパク質の検出と定量という操作が必要であることから、本年度は、スクリーニング系をより簡便かつ迅速な方法へと改良することを試みた。そのために、ほ乳類ツーハイブリッド法の検討を行った。また、LYARに多くの翻訳後修飾部位が存在することから、それらの翻訳部位に変異を導入したタンパク質を構築してBRD4タンパク質との結合に関して調べた。同時に、LYARがrDNA遺伝子領域のエピジェネティックな修飾の内、ヒストンH3及びH4のアセチル化に影響を及ぼすかどうかも調べた。これまでのところ、相互作用に関わる翻訳後修飾部位の同定、LYARとBRD4との間での酵母ツーハイブリッド法による相互作用及びエピジェネティックな変動の確認には至っていない。しかし一方で、LYARがBRD4に間接的に結合している可能性を、ファーウエスタン法や架橋法によってLYARに直接結合するタンパク質の探索によって調べた結果、LYARに直接結合していると考えられるBRD4とは明らかに異なるタンパク質を検出することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
誘導発現株を用いたin vivoのスクリーニング系が構築できていること、LYARに直接結合するタンパク質を検出できたことにより概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
LYARとBRD4の機能的関連性は明確であるので、その機能的関連性に必要なLYAR内の領域を狭めること、そしてほ乳類ツーハイブリッド法を検討することを更に試みる。また、LYARの薬剤誘導発現細胞株を使用したスクリーニング及びLYARとBRD4のin vivoでの相互作用に関わる翻訳後修飾部位の解析も継続する。LYARに直接結合するタンパク質を特定し、その特定したタンパク質とLYAR間の相互作用を阻害する化合物のスクリーニング系を構築し、より効率的なスクリーニング系として確立する。そして、その系を用い阻害化合物のスクリーニングを行う。さらにLYARによるrDNA転写促進機構を明らかにすることを試みる。
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