研究課題
本研究は、2011年1月にチュニジア・エジプトで始まった「アラブ革命」の展開過程を地域ごとに実証的に分析し、その背景となる関連の基軸的諸問題(政治的イスラーム、民主化、経済改革、ジェンダー、社会労働問題など)について比較考察するとともに、非アラブ諸国や欧米などの関与を含めて中東政治の構造変動(パレスチナ問題の新展開、中東地域システムの変容など)の全体を地域史的な視角から検討することを目的にしている。最終年度である本年度は、上記の研究目的のために、以下の①~④の課題について研究調査を実施し、全体を総括した。①各国の事例研究と相互比較を進めるために、モロッコとエジプトへの海外調査を実施し、イエメンとイラクに関する研究会(6月)、サウジアラビアとリビアに関する研究会(7月)を開催して分析を深めた。②地域全体に関わる基軸的課題の考察としては、パレスチナ問題についてパレスチナ人研究者を招聘して9月のNIHUイスラーム地域研究国際会議でセッションを組んで議論し、革命の暗転に伴う難民問題についても、中東難民と欧州統合に関する国際シンポジウムを組織し、2月に在日シリア人専門家を交えて議論した(北海道大学スラブ・ユーラシア研究所などと共催)。③中東地域政治の考察としては、アラブ革命と宗派主義、イスラーム主義と宗教知識人の役割に関する国際ワークショップを9月と11月に組織した。また、1月には5年前のアラブ革命の展開をアラビア語言説研究の視点から理論的に総括するためにエジプト人専門家を海外招聘して国際ワークショップを開催した。④アラブ革命の展開過程に関する資料収集分析については、その成果の一部としてエジプトの主要紙の記事を自動保存する「アラブ革命政治動向データベース」を構築した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://ricasdb2.ioc.u-tokyo.ac.jp/KakenhiArabRevolutions/