研究課題
サワンナケート州の南部3郡において環境水200試料を採集し、その含有元素と安定同位体比を分析した。この結果、環境水データベースの蓄積が進むとともに、安定同位体が水循環の実態解明に資することがデータを通して明らかになった。また、環境水の採集時に取得した、採水地点の自然・生活環境に関する地理的・社会的情報を分析し、環境が水質に与える影響について一定の知見が得られた。水採集にあたり、短期間に広域で採水することが必要なため、現地調査員をトレーニングして採水する体制が十全に機能することが実証された。一方、サワンナケート州の東部セポン郡において、マラリア媒介蚊の好む水域、水環境の特性に関する分析に一定の前進がみられた。季節的な水環境の変化と媒介蚊のライフサイクルに着目する視点の重要性が明らかになった。媒介蚊と水環境の関係についても、現地調査員を介したモニタリング体制を構築する見通しができた。
2: おおむね順調に進展している
ラオス・サワンナケート州で現地調査員による広域サンプリングが展開し、採集された水の解析も進んだ。各地点で採集された水が、その地域固有の環境を反映していることが水質解析を通して明らかになった。これまでに採集された環境水に特段の重金属汚染がみられず、ベースラインデータとして将来起こりうる汚染を評価する際の基準になる、環境水データベース化の意義が現地カウンターパートとの間で認識共有できた。
最終年度に、これまでに採水を実施していないサワンナケート州の残り3郡で水のサンプリングをおこない、試料を地域的に網羅する。試料数800にのぼる環境水データベースをもとに、ラオスの水循環の特徴、地域環境と水質の関係について論文を発表する。成果の還元として、カウンターパートと現地のステークホルダー向けに成果の説明をおこない、水質解析の結果を現地住民の健康管理に活用する具体的方策を提案する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (11件) 図書 (1件)
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PMID: 24547711