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2013 年度 実績報告書

消滅危機言語としての琉球諸語・八丈語の文法記述に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24242014
研究機関琉球大学

研究代表者

狩俣 繁久  琉球大学, 法文学部, 教授 (50224712)

研究分担者 田窪 行則  京都大学, 文学研究科, 教授 (10154957)
金田 章宏  千葉大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70214476)
木部 暢子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30192016)
西岡 敏  沖縄国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30389613)
小嶋 賀代子 (下地 賀代子)  沖縄国際大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40586517)
又吉 里美  岡山大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (60513364)
仲原 穣  琉球大学, 法文学部, その他 (60536689)
下地 理則  九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (80570621)
元木 環  京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (80362424)
荻野 千砂子  大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (40331897)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード琉球諸語 / 八丈語 / 記述文法 / 消滅危機言語 / グロス
研究概要

昨年度に引き続き、代表者、分担者、協力者が担当する地点の調査と研究を進めた。今年度は動詞形態論を中心にしながら、文法体系全体の記述を行なった。文法記述に不可欠な琉球諸語用、日本語用のグロスがこれまで用意されていなかったため、8月26日・27日(九州大学)、12月22日・23日(東京ハロー会議室)、3月13日・14日(沖縄県立博物館・美術館)の3回の合同研究会。ワークショップを開催し、個々の担当地点の研究報告を行ないながら、琉球諸語用(日本語にも適用可能な)のグロス制定・確定に力を注いだ。終止・連体・連用などの「きれつづき」という文中での機能に関わるカテゴリと文法的な意味、助詞なしで文中に現れるゼロ格の名詞の文法的な意味をどのように記述しグロスを充てるか検討した。研究期間内に琉球諸語に関する統一的なグロスの公開を行なう準備を終えた。これは日本語諸方言の記述文法への適用も含めて、日本語研究への貢献の一つである。
当初予定した地点のうち、波照間島方言の調査、研究を担当する研究協力者が出産のために、研究を中断したが、それに代わる地点として、硫黄鳥島の方言を加えた。
4年の研究期間の半分の2年が経過したが、その中間の成果報告を冊子体として刊行するための準備を3回のワークショップで進めた。多様な琉球諸語を全体として俯瞰することが可能になり、成果の共有と研究の深化、外部への発信を行なうために、各地点20ページ~50ページ程度の簡易文法を冊子体にまとめる準備を整えた。次年度(2016年度)予算でこれを刊行する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初調査地点に予定していた波照間島方言を担当する研究協力者が出産のために、波照間島方言の調査を中断したが、その代替地点として沖縄県硫黄鳥島の方言を追加した。硫黄鳥島方言は、琉球諸語の中で最も消滅危機度の深刻な方言である。本研究において硫黄鳥島方言の記述文法を残せることは意義あることだと考える。
本年度の研究期間内に3回のワークショップを開催したので、各地点の調査、研究の進捗状況を確認しながら研究を進められたことが大きな研究の遅れを来さなかった要因だと考える。

今後の研究の推進方策

4年間の研究期間の半分が経過したが、これまでは比較的順調であった。残り2年間も調査、研究の方針を堅持し、引き続き進めていく。ワークショップを定期的に開催し、進捗状況の確認、成果の共有を進める。研究成果の関係学会での発表、論文の投稿、研究成果の中間段階での公刊等を検討する。

  • 研究成果

    (44件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (30件) (うち招待講演 10件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 沖縄県名護市幸喜方言の擬声擬態語-和琉辞典のこころみ2014

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      琉球の方言

      巻: 38 ページ: 93-155

  • [雑誌論文] 名護市幸喜方言の可能表現の文2014

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      日本東洋文化論集

      巻: 20 ページ: 33-54

  • [雑誌論文] 消滅危機言語の教育可能性を考える-多様な琉球諸語は継承できるか-2014

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      島嶼地域の新たな展望-自然・文化・社会の融合体としての島々

      巻: 1 ページ: 117-141

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「香」のことば2014

    • 著者名/発表者名
      木部信子
    • 雑誌名

      人と自然

      巻: 7 ページ: 20-23

  • [雑誌論文] The Representative, Negative, Past, Continuative Forms of Miyako Verbs2013

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      国際沖縄研究

      巻: 7 ページ: 81-106

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 与那国島方言におきた音韻変化2013

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      琉球アジア社会文化研究

      巻: 16 ページ: 60-81

  • [雑誌論文] 危機に瀕する南奄美沖縄北部諸方言と沖縄中南部諸方言2013

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 32巻10号 ページ: 24-34

  • [雑誌論文] 危機言語としての八丈方言2013

    • 著者名/発表者名
      金田章宏
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 32巻10号 ページ: 48-60

  • [雑誌論文] 沖縄北部名護市幸喜方言の格形式2013

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      人文社会科学を主体とした先端的琉球・沖縄学

      巻: 1 ページ: 127-166

  • [雑誌論文] 琉球宮古島野原方言の間接的エヴィデンシャリティ2013

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      日本東洋文化論集

      巻: 19 ページ: 41-60

  • [雑誌論文] 沖縄県名護市幸喜方言の擬声擬態語2013

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 雑誌名

      琉球の方言

      巻: 37 ページ: 17-38

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 昔がたりにみる自然と文化-鳥の声の聞きなしと方言2013

    • 著者名/発表者名
      木部信子
    • 雑誌名

      アジアの人びとの自然観をたどる

      巻: 1 ページ: 107-125

  • [雑誌論文] 八丈方言の語彙-1950年調査との比較-2013

    • 著者名/発表者名
      木部信子
    • 雑誌名

      消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究 八丈方言調査報告書

      巻: 1 ページ: 39-46

  • [学会発表] 南琉球黒島方言の順接の条件表現2013

    • 著者名/発表者名
      荻野千砂子
    • 学会等名
      筑紫日本語研究会
    • 発表場所
      九重共同研修所
    • 年月日
      20130808-20130810
  • [学会発表] 八丈語の調査から -方言調査は人との出会い-

    • 著者名/発表者名
      金田章宏
    • 学会等名
      国立国語研究所 時空間変異研究系 合同研究発表会
    • 発表場所
      国立国語研究所
    • 招待講演
  • [学会発表] Demonstratives in Japanese

    • 著者名/発表者名
      Takubo, Y.
    • 学会等名
      Seminar at City University of Hong Kong
    • 発表場所
      City University of Hong Kong
    • 招待講演
  • [学会発表] 方言危機について―方言の危機の背景―

    • 著者名/発表者名
      木部暢子
    • 学会等名
      しまくとぅばシンポジウム「シマのことばの危機」
    • 発表場所
      沖縄県立博物館・美術館講座室
    • 招待講演
  • [学会発表] 八丈方言の実態

    • 著者名/発表者名
      金田章宏
    • 学会等名
      しまくとぅばシンポジウム「シマのことばの危機」
    • 発表場所
      沖縄県立博物館・美術館講座室
    • 招待講演
  • [学会発表] 八丈方言の価値と継承における学校の役割

    • 著者名/発表者名
      金田章宏
    • 学会等名
      平成25年度八丈町教育委員会教育研究指定校研究発表会
    • 発表場所
      八丈町立三原中学校
    • 招待講演
  • [学会発表] 奄美島唄フォーラム~島唄の魅力再発見 歌い継ぐ奄美の島唄

    • 著者名/発表者名
      木部暢子
    • 学会等名
      奄美島唄保存伝承事業
    • 発表場所
      奄美文化センター
    • 招待講演
  • [学会発表] 伊良部方言の動詞の記述

    • 著者名/発表者名
      下地理則
    • 学会等名
      琉球諸語ワークショップ
    • 発表場所
      沖縄県立博物館・美術館
  • [学会発表] 八丈方言の実態

    • 著者名/発表者名
      金田章宏
    • 学会等名
      シンポジウム「シマのことばの危機」
    • 発表場所
      沖縄県立博物館・美術館
    • 招待講演
  • [学会発表] 黒島方言の実態

    • 著者名/発表者名
      荻野千砂子
    • 学会等名
      シンポジウム「シマのことばの危機」
    • 発表場所
      沖縄県立博物館・美術缶
    • 招待講演
  • [学会発表] 方言危機について-方言危機の背景-

    • 著者名/発表者名
      木部暢子
    • 学会等名
      シンポジウム「シマのことばの危機」
    • 発表場所
      沖縄県立博物館・美術館
    • 招待講演
  • [学会発表] 沖縄久米島方言の記述文法-動詞、形容詞を中心に

    • 著者名/発表者名
      仲原穣
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      琉球大学50周年記念会館
  • [学会発表] 記述文法の可能性と不可能性-火山噴火避難の硫黄鳥島方言の方言を考える

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 学会等名
      消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究(国立国語研究所)共同研究会
    • 発表場所
      ハロー貸会議室品川
  • [学会発表] 宮古語形態論-池間方言の動詞形態論を中心に-

    • 著者名/発表者名
      田窪行則
    • 学会等名
      消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究(国立国語研究所)共同研究会
    • 発表場所
      ハロー貸会議室品川
  • [学会発表] 沖縄語津堅方言の記述文法-動詞・形容詞を中心に-

    • 著者名/発表者名
      又吉里美
    • 学会等名
      消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究(国立国語研究所)共同研究会
    • 発表場所
      ハロー貸会議室品川
  • [学会発表] 津堅方言の文法記述-動詞を中心に-

    • 著者名/発表者名
      又吉里美
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      琉球大学50周年記念会館
  • [学会発表] 恩納村瀬良垣方言の助動詞

    • 著者名/発表者名
      西岡敏
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      琉球大学50周年記念会館
  • [学会発表] 記述文法にできること-硫黄鳥島方言を例に考える再生可能性-

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      琉球大学50周年記念会館
  • [学会発表] 名護市幸喜方言の動詞、形容詞

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      琉球大学50周年記念会館
  • [学会発表] 深く掘れ!我が島のことばの泉

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 学会等名
      しまくとぅばプロジェクトシンポジム
    • 発表場所
      沖縄県立博物館・美術館
    • 招待講演
  • [学会発表] 鹿児島方言の動詞、形容詞の文法記述-グロス付けの方法を中心に-

    • 著者名/発表者名
      木部暢子
    • 学会等名
      消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究(国立国語研究所)共同研究会
    • 発表場所
      九州大学文学部
  • [学会発表] 八丈方言の動詞、形容詞の文法記述-グロス付けの方法を中心に-

    • 著者名/発表者名
      金田章宏
    • 学会等名
      消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究(国立国語研究所)共同研究会
    • 発表場所
      九州大学文学部
  • [学会発表] 宮古語の動詞、形容詞の文法記述-グロス付けの方法を中心に-

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 学会等名
      消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究(国立国語研究所)共同研究会
    • 発表場所
      九州大学文学部
  • [学会発表] 琉球語の表記法の現状-沖縄語の仮名文字表記の問題点-

    • 著者名/発表者名
      仲原穣
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      沖縄国際大学
  • [学会発表] 南琉球・多良間島方言の表記法―琉球諸語表記法プロジェクト事例報告―

    • 著者名/発表者名
      下地(小島)賀代子
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      沖縄国際大学
  • [学会発表] 琉球諸方言の正書法を考える-児童生徒の方言教育をみすえて-

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      沖縄国際大学
  • [学会発表] 二方面敬語を作る謙譲語-石垣宮良方言と古代語-

    • 著者名/発表者名
      荻野千砂子
    • 学会等名
      日本方言研究会
    • 発表場所
      大阪樟蔭女子大学
  • [学会発表] 琉球諸語の子音変化の体系

    • 著者名/発表者名
      狩俣繁久
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      琉球大学50周年記念会館
  • [学会発表] 八丈方言の文法記述におけるグロスづけの試み

    • 著者名/発表者名
      金田章宏
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      琉球大学50周年記念会館
  • [学会発表] 琉球諸語研究におけるグロスの問題の概観

    • 著者名/発表者名
      下地理則
    • 学会等名
      沖縄言語研究センター
    • 発表場所
      琉球大学50周年記念会館
  • [図書] 琉球列島の言語と文化-その記録と保存2013

    • 著者名/発表者名
      田窪行則
    • 総ページ数
      365
    • 出版者
      くろしお出版

URL: 

公開日: 2015-05-28   更新日: 2015-06-16  

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