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2012 年度 実績報告書

チベット語最古層の形成とその構造推移ーデータベース解析による辞書と歴史文法の編纂

研究課題

研究課題/領域番号 24242015
研究種目

基盤研究(A)

研究機関神戸市外国語大学

研究代表者

武内 紹人  神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10171612)

研究分担者 長野 泰彦  国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (50142013)
星 泉  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (80292994)
白井 聡子  麗澤大学, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (70372555)
池田 巧  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90259250)
研究期間 (年度) 2012-10-31 – 2017-03-31
キーワード歴史言語学 / チベット語 / 古チベット語 / 方言調査 / ブータン / ラダック
研究概要

[[文献の解読と入力作業]2012年4月から6月にかけて、代表者武内と協力者岩尾、西田は古チベット語文献の解読と入力作業を行った。7月に、武内と岩尾がミュンヘンLMU大学を訪れ、国際シンポジウムにおいて研究発表を行い、その後海外研究協力者Brandon Dotsonと研究打ち合わせを行った。Dotsonを中心とする研究グループは、文献データ入力作業を継続し、2013年2月に予定していた入力作業を完了した。海外研究協力者今枝は、2012年10月から12月にかけて週一度武内研究室を訪れ、武内、岩尾、西田と解読作業を行った。
[文献調査と方言調査]武内は、2013年2月に大英図書館を訪れ、文献調査と打ち合わせ会議を行った。また、3月には武内と今枝がブータンを訪れ、BumthangkhaとBrokkaの2言語調査を行った。協力者海老原は、2013年2月にインドラダックを訪れ、方言調査を実施した。分担者池田は、2013年2月にブータンにて言語調査を行った。分担者白井は、国内在住のチベット人を対象にチベット語方言調査を実施した。2013年8月、武内、星、西田、岩尾は現地の研究者とともに中国の青海省にて古チベット語碑文調査を行った。調査できた碑文は、西寧北にある日月山の「漢蔵会盟碑」、玉樹付近の文成公主廟周辺にある3碑文、玉樹付近のレパコクに沿って存在する複数の碑文、洛須付近にある「ダクハモ碑文」(2種)である。
[講演・会議開催]武内は2012年10月に筑波大学で開かれた国際シンポジウムにて講演を行った。2013年2月に東洋文庫で開かれた国際シンポジウムにおいても講演を行った。岩尾、西田、Dotsonは2012年9月に神戸市外国語大学にて国際若手チベット研究者会議を開催した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.第1の目標である古チベット語文献の解読および入力作業については、原典調査は、武内が一度行ったのみであるが、デジタル写真を活用した解読作業は、日本およびドイツにおいて順調に進展し、協力体制も整備された。
2.第2の目標であるチベット語方言調査は、アムド方言、ラダック方言、ブータンの関連言語の調査など予定通り進展した。
2012年度の中心目標であった以上の2点は、予定通り順調に達成された。また、現地の状況が不安定であったために2013年度に延期した青海省での碑文調査も、2013年8月に調査を行うことが出来た。以上の点を鑑みると、2012年度の達成度は80%であったといえるだろう。
以上の点を鑑みると、2012年度の達成度は75%程度といえるだろう。

今後の研究の推進方策

・2013年度も、①古チベット語文献の解読とデータベース化、②チベット語方言および関連言語の調査が2つの柱となる。
・具体的には、①イギリスおよびフランス所蔵の古チベット語文書の調査を武内、岩尾、西田で行い、平行して、デジタル写真による入力作業をミュンヘン大学で進める。②チベット語方言および関連言語の調査を武内、星、池田、白井、海老原が進める。
・また、2013年度に延期した青海省の碑文調査は、8月から9月にかけて、武内、星、岩尾、西田で遂行する(ただし、繰り越し予算による)。
・研究発表としては、5月に武内が、ハンブルグ大学の国際シンポジウムにおいて発表し、同時に参加する海外研究協力者のSam van Schaikとも打ち合わせを行う。また、7月にウランバートル(モンゴル)で行われる国際チベット学会に、武内、岩尾、西田、星が参加しパネルを主催する予定である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 中世チベット語の文のタイプ2013

    • 著者名/発表者名
      星泉
    • 雑誌名

      澤田英夫編『チベット=ビルマ系言語の文法現象2:述語と発話行為のタイプからみた文の下位分類』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

      巻: 1 ページ: 321-345

  • [雑誌論文] チベット語ラサ方言の文のタイプ2013

    • 著者名/発表者名
      星泉
    • 雑誌名

      澤田英夫編『チベット=ビルマ系言語の文法現象2:述語と発話行為のタイプからみた文の下位分類』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

      巻: 1 ページ: 455-476

  • [雑誌論文] 〈《嘉絨譯語》概説〉開篇単刊2013

    • 著者名/発表者名
      池田巧
    • 雑誌名

      『太田斎・古屋昭弘両教授還暦記念中国語学論集』好文出版

      巻: 1 ページ: 153-163

  • [雑誌論文] ムニャ語の述詞と文2013

    • 著者名/発表者名
      池田巧
    • 雑誌名

      澤田英夫編『チベット=ビルマ系言語の文法現象2:述語と発話行為のタイプからみた文の下位分類』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

      巻: 1 ページ: 365-390

  • [雑誌論文] ダパ語における文の下位分類2013

    • 著者名/発表者名
      白井聡子
    • 雑誌名

      澤田英夫編『チベット=ビルマ系言語の文法現象2:述語と発話行為のタイプからみた文の下位分類』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

      巻: 1 ページ: 391-421

  • [雑誌論文] Mermaid construction in nDrapa2013

    • 著者名/発表者名
      Satoko Shirai
    • 雑誌名

      Tsunoda, Tasaku (ed.) 2013. Adnominal Clauses and the ‘Mermaid Construction’: Grammaticalization of Nouns. (NINJAL Collaborative Research Project Reports 13-01)

      巻: 1 ページ: 341-370

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Old Tibetan Buddhist Texts from post-Tibetan Empire Period (mid 9th to late 10th centuries)2012

    • 著者名/発表者名
      Tsuguhito Takeuchi
    • 雑誌名

      Old Tibetan Studies: Proceedings of the 10th Seminar of the International Association for Tibetan Studies (Brill)

      巻: 1 ページ: 205-215

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Formation and Reformation of Old Tibetan2012

    • 著者名/発表者名
      Tsuguhito Takeuchi
    • 雑誌名

      Historical Development of the Tibetan Languages. Journal of Research Institute, vol.49

      巻: 49 ページ: 3-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Old Tibetan Rock Inscriptions near Alchi2012

    • 著者名/発表者名
      Tsuguhito Takeuchi
    • 雑誌名

      Historical Development of the Tibetan Languages. Journal of Research Institute, vol.49

      巻: 49 ページ: 29-69

    • 査読あり
  • [雑誌論文] チベット文書関係調査2012

    • 著者名/発表者名
      武内紹人
    • 雑誌名

      東ユーラシア出土文献研究通信

      巻: 2 ページ: 31-39

  • [雑誌論文] The Flow of Eastern Tibetan Colloquial ˆe into Middle Tibetan2012

    • 著者名/発表者名
      Izumi Hoshi
    • 雑誌名

      Historical Development of the Tibetan Languages. Journal of Research Institute, vol.49

      巻: 49 ページ: 71-83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Highlights in the Decipherment of the Nam Language2012

    • 著者名/発表者名
      Takumi Ikeda
    • 雑誌名

      Nathan W. Hill (ed.) Mediaeval Tibeto-Burman Languages IV. BRILL.

      巻: 1 ページ: 111-119

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Verbs of Existence in Tangut and Mu-nya2012

    • 著者名/発表者名
      Takumi Ikeda
    • 雑誌名

      Nathan W. Hill (ed.) Mediaeval Tibeto-Burman Languages IV. BRILL.

      巻: 1 ページ: 191-210

    • 査読あり
  • [学会発表] Various Ethnic Groups with Tibetan Personal Names in the 9th–12th c. Texts and Inscription2013

    • 著者名/発表者名
      Tsuguhito Takeuchi
    • 学会等名
      Central Asia Studies and Inter-Asia Research Networks: Integrated Study of Dynamism in the Central Asian Regional Sphere
    • 発表場所
      Toyo Bunko
    • 年月日
      20130302-20130303
    • 招待講演
  • [図書] Historical Development of the Tibetan Languages. Journal of Research Institute vol. 492012

    • 著者名/発表者名
      Tsuguhito Takeuchi
    • 総ページ数
      vi+161pp.
    • 出版者
      Reasearch Institute of Foreign Studies, Kobe City University of Foreign Studies

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公開日: 2015-05-28  

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