研究課題/領域番号 |
24242022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
籠谷 直人 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70185734)
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研究分担者 |
岩井 茂樹 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40167276)
陳 來幸 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (00227357)
城山 智子 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (60281763)
島田 竜登 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (80435106)
植村 泰夫 広島大学, 文学研究科, 名誉教授 (40127056)
弘末 雅士 立教大学, 文学部, 教授 (40208872)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | グローバル化 / アジア間貿易 / 華人 / アジア経済史 / 東南アジア史 / バタヴィア / インドネシア / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究は、17世紀以降のグローバリゼーションの進展がローカルな地域社会に与えた影響を長期的かつ実証的に考察するものであり、具体的には東南アジアのジャワ島における3つの海港都市(バタヴィア(現ジャカルタ)、スマラン、スラバヤ)を事例として分析を行う。海港都市は、内陸部の社会と島外の世界経済とを結ぶ結節点であり、そこに流出入する人・モノ・カネ・情報を介して、一体化する世界と内陸の地域社会が相互に影響しあい、独特の都市経済・社会を作り上げていった。ジャワを事例とすることで、オランダ語史料や漢文史料といった多言語の史料を駆使して多くの歴史情報を入手し、分析することが可能となる。 科研2年目に当たる2013年度には、インドネシアやオランダでの現地フィールド調査と各主要文書館等での史料調査・収集を継続したほか、長崎・平戸、台湾、廈門・金門・南安・泉州・晋江での現地フィールド調査も同時に行なった。 研究成果としては、論文11件、著書2件、学会報告17件がある。そのほか、これまでの研究の中間報告会として、廈門大学南洋研究院副所長のニエ教授、インドネシア大学からクルニアワン教授、エリサ教授、ウィドヤルタ教授を招致し、ブルッセイ教授(京都大学人文科学研究所客員教授)も加わり、2013年4月3日に京都大学人文科学研究所でアジア植民地都市国際ワークショップ「Jakatra’s Past: Space, Ethnicity and Urban Development」を開催した。さらに2013年12月25日に廈門大学において、廈門大学南洋研究院との国際共同研究会「Seminar on East Asian Maritime History: Asian International Trade Order and Chinese Merchants」を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在までに刊行されている研究成果のほか、現在、進行中の研究も問題なく予定通り進んでおり、最終的な成果も確実に期待できる。廈門大学、インドネシア大学、ライデン大学の研究者たちとの国際研究者交流や共同研究もさらに進展している。それと同時に。ニエ教授やブルッセイ教授らとともに、本科研メンバーはバタヴィアの華人史料の分析を行ない、この共同作業の成果のひとつとして『開ハ(口へんに巴)歴代史記』の英語翻訳があり、本科研終了年度までに出版する予定である。そのため、本共同研究は、全般的に、当初の計画以上に進展していると考えられる。なお、インドネシア研究においては問題となるのが現地での研究許可の取得であるが、現地フィールド調査や史料調査に必要な研究許可は予定通り発給され、インドネシア側と比較的良好な協力関係にある。
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今後の研究の推進方策 |
本共同研究の成果報告として論集の作成を念頭に置き、次年度は可能なかぎり多くの研究会を開催し、また研究協力者も新たに加わってもらい、研究の方向性や内容等を各分担者・協力者と綿密に議論・確認しあうことにする。2014年9月にはインドネシア大学にて国際ワークショップを開催し、本共同研究のさらなる発展につなげていくことにしたい。なお、インドネシアでのフィールド調査ならびに史料調査のため、2014年度に研究許可の更新を行なう予定である。
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