研究課題
基盤研究(A)
本研究は、日本の戦歿者慰霊の特徴について、その表象物である戦争記念碑という「もの」資料を基に分析したものである。その結果、日本の戦歿者慰霊は、自由民権運動における国権論的思想を基にした国民主義による旧藩ナショナリズムと地域アイデンティティによるもので、その起点は西南戦争という内戦で戦死した股肱の臣を忠臣慰霊とした下からの愛国主義運動にあったこと、これが日清戦争による全国的に展開されていくことによって日本的戦歿者慰霊のかたちとして形成されていったこと、そしてこのような下からの愛国主義運動による戦歿者慰霊というのは世界史的には一般的なものであることを明らかにした。
歴史学