研究課題/領域番号 |
24242027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 名古屋商科大学 |
研究代表者 |
松尾 信之 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (40308838)
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研究分担者 |
蓮田 隆志 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20512247)
桃木 至朗 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40182183)
八尾 隆生 広島大学, 文学研究科, 教授 (50212270)
西村 昌也 金沢大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (60469236)
西野 範子 金沢大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (60602092)
嶋尾 稔 慶應義塾大学, 付置研究所, 教授 (90255589)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 東南アジア / ベトナム / 歴史 / 山地 / 少数民族 / タイ族 / ムオン族 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究課題は、その重要性に比してこれまで不明な部分が多かった山地世界の歴史を明らかにすることによって、ベトナム史を再構築しようとするものである。今年度の活動内容と研究実績の概要は以下の通りである。 1.現地調査,史料収集分析 今年度は、ベトナムを取り巻く山地地域の広域調査として、チュオンソン山脈東半部(ベトナム側)を南北に走るルートに沿った地域の調査を実施し、交通ルートと地方権力、社会との相互関係に関するデータを収集した。特に、嶋尾が中心となって現地収集資料にもとづきベトナム・ラオス国境において山と平地の媒介的役割を果たした世襲的権力の系譜の再構成を行いその実態について新たな知見を得た。また、八尾は、15世紀のムオン族小首長(官郎)の一人であった丁世寿の銅板嘱書をその存在を知って以来、20年ぶりに実見し、既発表論文の修正をベトナム語論文中で行った。考古学の手法により物質文化の研究を担当する西村・西野班はトゥエンクアン省で、タイ族系の墓葬発掘資料(14-16世紀)の墓碑、陶磁器などの研究・資料化を行ったほか、16世紀の在地土豪の山城(ニャーバウ城)やタイ族集落に残る仏教草堂の実地研究を行い、さらにチュオンソン山脈を後背地とするフエ近郊における伝統集落の歴史地理的調査を実施した。一方、蓮田は近世ベトナム人の周辺世界に対する認識、歴史認識を検討し、17世紀中葉にキリスト教徒ベトナム人が著したベトナム通史の訳注を発表した。 2.研究会の開催 日越の若手研究者を招いて,新たに発見された隋代の仏教碑文に関する研究会を開催し,議論を行った。 3. 研究成果の国際発信 桃木が中世の北部山地支配についての英語論文を国際学会誌上に発表し、既存史料の分析と今後の研究の具体的な課題提起を行った。また、北部山地を含めた中国の周辺比較をテーマとするワーキングペーパー(英語)を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、実地調査を行い、大量のデータを収集することができた。またそれらに基づき、各参加者がデータの分析を行い、またそれらの成果の一部を発表することもできた。 主要な実地調査が年度後半が年度後半に集中したせいもあり、そこで得られたデータの収集・公開作業は年度内には完成できなかった。25年度にも継続して行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
現在まで、おおむね順調に進展しており、今年度以降も、当初計画に沿って研究活動を継続したい。
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