研究課題
本年度は、これまでの成果を踏まえて、参加者各自のテーマ別個別研究を中心に調査を進めた。現地調査としては、代表者、分担者、協力者のうち9人がそれぞれの研究対象とする地域に赴き、現地協力者と意見交換し、研究動向を調査して史資料を入手し、調査を進めた。11月には研究参加者による会合を開き、これまでの調査結果を持ち寄って報告し、意見交換した。報告のテーマは以下の通りである。「国民国家論以後の社会統合/国家統合研究」「『我らの旗』と『我らの赤旗』のあいだ ―プレショウ 1918-1919年」「マウォヴィスト余聞、あるいは、社会主義期の歴史学の記憶をめぐる或る紛争」「解体の契機としての情報ギャップ ―バルト三共和国の民族運動再考―」「ポーランド(語)における2つの「ソ連」 ―「ソ連」を取り込む/取り込めない/取り込まないということ―」「ガブリエル・モイサ「共産主義のルーマニアにおける歴史学と政治もしくは歴史の道具化について:いくつかのケース・スタディー」紹介」「『世界史をナビゲートする』でのロシア東欧地域研究の取り上げ方、あるいは不在について」「チェコスロヴァキアとハンガリー間の住民交換とドイツ系住民の強制移住に関する研究史」「現代ロシアの歴史教育、ロシア史教科書の第二次世界大戦の記憶」「スターリン死後のソ連の政治改革と歴史学」「コソヴォ問題の歴史イデオロギーの形成(1981~1986年)」「旧ユーゴスラヴィア諸国における歴史教育をめぐる諸問題」。会合での議論を通して、各地域の個別事例を比較対照し、社会主義期の東欧ロシアという広い観点から検討した。会合では、東欧各地域の歴史研究について基礎的な情報を社会に提供するため、最終年度に向けて、各担当地域の主要な歴史学雑誌の情報を整理して公開する計画を定めた。
2: おおむね順調に進展している
申請書に記載した研究計画がほぼ達成されたため。
当初の予定通り、参加者を現地に派遣して調査研究を進め、研究会を開いて情報交換を行い、最終年度となる来年度には研究成果を学会誌等に掲載して公表していく。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)
東北アジア研究
巻: 20 ページ: 133-146
大阪教育大学紀要第II部門
巻: 64-2 ページ: 31-51
Slavic Eurasian Studies
巻: 29 ページ: 45-69