研究課題/領域番号 |
24242033
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
武末 純一 福岡大学, 人文学部, 教授 (80248533)
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研究分担者 |
高久 健二 専修大学, 文学部, 教授 (00281197)
亀田 修一 岡山理科大学, 生物地球学部, 教授 (10140485)
坂 靖 奈良県立橿原考古学研究所, 附属博物館, 統括学芸員 (30250377)
山本 孝文 日本大学, 文理学部, 教授 (40508735)
重藤 輝行 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (50509792)
桃崎 祐輔 福岡大学, 人文学部, 教授 (60323218)
吉井 秀夫 京都大学, 文学研究科, 教授 (90252410)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アジア考古学 / 日韓交渉 / 古墳時代 / 朝鮮三国時代 / 国際研究者交流 / 韓国 |
研究概要 |
本年度も当初の計画通りに分担研究者や韓国側の研究協力者である金武重氏らと連絡を取りながら進めた。 研究活動ではまず「日韓交渉の考古学―古墳時代研究会―」を立ち上げて、平成25年11月16・17日に福岡大学で日韓の馬具を主題に、第1回共同研究会を開催し、日本側5名、韓国側5名が発表し討議した(『第1回共同研究会 日韓交渉の考古学―古墳時代―』2013年11月)。検討した馬具の時期は4世紀から6世紀に及び、大成洞古墳群で発掘された新資料もこの時が日本では初めての研究発表であった。また、日韓の研究者の暦年代観の違いと、よって立つ資料や考え方の違いが明らかになった点で、極めて有意義であった。この時期は福岡県古賀市船原古墳の埋納坑出土馬具が話題になっていたこともあり、NHKのクローズアップ現代でも、共同研究会の様子や日韓の研究者による馬具の検討の様子が一部報道された。18日に予定していた百済・馬韓土器研究会との共催での土器の研究会は、主催者である大韓文化財研究院側の事情で直前に中止になったため、急遽「日韓の土器をめぐる談話会」に切り替えて、金武重、重藤輝行、武末純一の3名が、韓半島東海岸部の三国土器の様相、北部九州の百済・馬韓土器、鵞洲洞出土土師器系土器について話題提供し、討議を行った。 研究代表者はこの共同研究会に、韓国の馬具研究者のうち権度希、沈載龍、李尚律、張允禎を、研究分担者は柳昌煥、朴ユン貞を招聘し、七観古墳の馬具も日韓の研究者が一緒に検討した。また、1月には研究分担者が咸瞬變、金在弘を招聘し、関係資料を共に検討した。 日韓の馬具関係資料の集成と、朝鮮三国時代関係の白黒ネガ・カラースライドのデジタル化も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画をほぼ達成でき、共同研究会も狙い通りに開催できた。資料調査と整理も順調に進んでいる。来年度の共同研究会も10月31日・11月1日に決定し、細部的な予定や発表者もある程度固められた。馬具研究者は部会を作って、この研究を推進することも決定した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度当初の計画から前倒しの形に少し変更して、2014年度に武器武具と農工具・漁具、2015年度に横穴系石室・土器、2016年度に集落と補足資料という形で推進することとした。テーマ執筆者の決定を早めて、執筆時間に余裕を持たせるためである。共同研究会は2014年10月31日・11月1日に、韓国の釜山大学校で武器武具と農工具・漁具をテーマに開催する。 各分担研究者は今年度も1週間~10日前後、韓国の研究者を1名招聘する。2013年度と同様に若手研究者には何度か地域を変えて日本に来てもらい、各地の分担研究者と共同で資料を検討する方向で推進する。 福岡大学保管の朝鮮三国時代関係の白黒ネガ・カラースライドのデジタル化も進める。前年度に引き続き福岡大学科研費研究員に、福岡大学大学院博士課程前期終了者を4月1日から採用して、資料の整理や研究事務の補助、韓国側との連絡に当たらせる。合わせて関連資料の収集に努める。
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