国家による「非営利型移転」の支援と公共サービスの設計

2015 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24243003
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 高木 光 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60114526)
• 研究分担者: 服部 高宏 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00218504) ; コツィオール ガブリエーレ 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10725302) ; 洲崎 博史 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20211310) ; 稲森 公嘉 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20346042) ; 岡村 忠生 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30183768) ; 仲野 武志 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50292818) ; 木村 敦子 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (50437183) ; 毛利 透 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60219962) ; 尾形 健 同志社大学, 法学部, 教授 (60368470) ; 船越 資晶 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70362548) ; 山本 敬三 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80191401) ; 原田 大樹 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90404029) ; 須田 守 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (70757567)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 非営利 / 再分配 / 高齢化 / 保険 / 家族 / 消費課税

研究実績の概要

研究の最終年度として、研究をまとめるための文献収集を行い、報告者を招いて研究会を開催した。また、年度末には、本研究を総括するために最終シンポジウムを開催し、各研究チームからの報告と議論を行った。各チームの研究内容は、次の通りである。
理論・総括チームは、再分配の基礎となる国家の基礎論について考察を深め、憲法の規範的役割や行政法の基礎概念、基本的構成の再検討の成果を、体系書や国際シンポジウムを通じて発信した。具体的題材としては、公的扶助制度、原子力法制、水資源分配などを取り上げた。
家族法・契約法チームは、私人間の財産管理における意思能力の問題を取り上げ、民法改正法案（平成27年3月閣議決定）の成立過程をトレースして改正案の意義と残された課題を明らかにした。また、家族モデルや契約の観点から、相続における財産承継と婚姻制度の関係や、財・サービスの移転に関する家族間の権利義務関係を検討した。
社会保障・私保険チームは、生活保護費の過誤払いと費用返還など生活保護法の法解釈と法政策に関する研究、平成26年保険業法改正による保険募集の規制における乗合代理店の位置づけなどを検討するとともに、非営利型移転を促す国家のルール形成のあり方という観点から、2006年ドイツ連邦制改革における連邦と州の間での立法権限の再画定の動向の現状について検討した。
行財政再分配チームは、再分配における消費課税の意味を追求し、課税の公平の確保（租税回避行為）についての検討を行った。また、騒音等の負財の配分をめぐる行政過程とその司法的統制についての考察を進め、国家賠償・損失補償の再分配機能，原子力損害賠償の再分配機能にも視野を広げ，再分配を支える法制度設計のあり方を検討した。さらに、再分配の観点から、批判法学派のリアリズム法学理解についての検討を行った。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 保険募集人に対する規制の整備 (2016)
  • 著者名/発表者名: 洲崎博史
  • 雑誌名: ジュリスト 巻: 1490号 ページ: 27-32
• [雑誌論文] 連邦法律に対する州の離反立法（一）――ドイツ連邦制改革による大綱的立法の廃止とその帰結 (2016)
  • 著者名/発表者名: 服部高宏
  • 雑誌名: 法学論叢 巻: 178巻4号 ページ: 1-19
• [雑誌論文] リアリズム法学の再検討のために－公私二元論批判－ (2016)
  • 著者名/発表者名: 船越資晶
  • 雑誌名: 法学論叢 巻: 印刷中 ページ: 印刷中
• [雑誌論文] 人口減少時代における政策実現手法の展開 (2016)
  • 著者名/発表者名: 原田大樹
  • 雑誌名: レファレンス 巻: 782号 ページ: 3-16
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 取消訴訟における「完全な審査」（四） (2016)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 雑誌名: 法学論叢 巻: 178巻5号 ページ: 27-68
• [雑誌論文] 取消訴訟における「完全な審査」（五）・完 (2016)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 雑誌名: 法学論叢 巻: 178巻6号 ページ: 34-67
• [雑誌論文] 理由提示と処分理由（一） (2016)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 雑誌名: 法学論叢 巻: 179巻1号 ページ: 1-42
• [雑誌論文] 法律時評：仮処分による原発再稼働の差止め (2015)
  • 著者名/発表者名: 高木光
  • 雑誌名: 法律時報 巻: 2015年7月号 ページ: 1-3
• [雑誌論文] 原発訴訟における自治体の原告適格 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高木光
  • 雑誌名: 自治研究 巻: 91巻9号 ページ: 3-22
• [雑誌論文] 原発訴訟における民事法の役割――大飯三・四号機差止め判決を念頭に置いて (2015)
  • 著者名/発表者名: 高木光
  • 雑誌名: 自治研究 巻: 91巻10号 ページ: 17-39
• [雑誌論文] 租税法 : 複雑系(第11回)BEPSと行為計算否認(1) (2015)
  • 著者名/発表者名: 岡村忠生
  • 雑誌名: 税研 巻: 30巻6号 ページ: 70-75
• [雑誌論文] 租税法 : 複雑系(第12回)BEPSと行為計算否認(2) (2015)
  • 著者名/発表者名: 岡村忠生
  • 雑誌名: 税研 巻: 31巻1号 ページ: 75-80
• [雑誌論文] 租税法 : 複雑系(第13回)BEPSと行為計算否認(3) (2015)
  • 著者名/発表者名: 岡村忠生
  • 雑誌名: 税研 巻: 31巻2号 ページ: 68-75
• [雑誌論文] 最近の重要判例 : IBM事件 (2015)
  • 著者名/発表者名: 岡村忠生
  • 雑誌名: ジュリスト 巻: 1483号 ページ: 37-42
• [雑誌論文] 生存権保障の現況 (2015)
  • 著者名/発表者名: 尾形健
  • 雑誌名: 論究ジュリスト 巻: 13号 ページ: 86-92
• [雑誌論文] パスポートは返納すべきか？―海外渡航の自由をめぐる問題 (2015)
  • 著者名/発表者名: 尾形健
  • 雑誌名: 法学セミナー 巻: 729号 ページ: 14-18
• [雑誌論文] 生活保護老齢加算廃止違憲訴訟京都事件上告審・福岡事件上告審判決 (2015)
  • 著者名/発表者名: 尾形健
  • 雑誌名: 新・判例解説Watch 巻: 17 ページ: 19-22
• [雑誌論文] 行政事件における訴訟要件の意義 (2015)
  • 著者名/発表者名: 仲野武志
  • 雑誌名: 行政法研究 巻: 9号 ページ: 81-104
• [雑誌論文] 取消訴訟の存在理由 (2015)
  • 著者名/発表者名: 仲野武志
  • 雑誌名: 自治研究 巻: 91巻12号 ページ: 101-127
• [雑誌論文] 判批（市街地再開発の結果，同一建物内に病院と薬局が隣接することとなった場合について，保険薬局指定拒否処分が取り消された事例） (2015)
  • 著者名/発表者名: 原田大樹
  • 雑誌名: 判例時報 巻: 2250号 ページ: 112-117
• [雑誌論文] 国際性と学際性による公法の方法論の開放 (2015)
  • 著者名/発表者名: ハンス・クリスティアン・レール（原田大樹訳）
  • 雑誌名: 自治研究 巻: 91巻11号 ページ: 42-75
  • 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 障害者差別禁止 (2015)
  • 著者名/発表者名: 原田大樹
  • 雑誌名: 行政課題別条例実務の要点 巻: 76号 ページ: 3121-3142
• [雑誌論文] Das gesetzliche Erbteil nichtehelicher Kinder - Entscheidung des Obersten Gerichtshofs vom 4. September 2013 (2015)
  • 著者名/発表者名: Atsuko Kimura/Gabriele Koziol
  • 雑誌名: Zeitschrift fuer Japanisches Recht 巻: Vol. 20, Nr. 39 ページ: 233-259
  • 査読あり
• [雑誌論文] 取消訴訟における「完全な審査」（一） (2015)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 雑誌名: 法学論叢 巻: 178巻1号 ページ: 33-57
• [雑誌論文] 取消訴訟における「完全な審査」（二） (2015)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 雑誌名: 法学論叢 巻: 178巻2号 ページ: 37-78
• [雑誌論文] 取消訴訟における「完全な審査」（三） (2015)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 雑誌名: 法学論叢 巻: 178巻3号 ページ: 1-24
• [学会発表] Globalization and the Issues for Public Law (2016)
  • 著者名/発表者名: Hiroki Harada
  • 学会等名: PPG Research Project International Workshop "A Reformulation of Public and Private Laws under the Globalization"
  • 発表場所: 同志社大学大学院法務研究科（京都市）
  • 年月日: 2016-03-29
  • 国際学会
• [学会発表] 人口減少時代における政策実現手法の展開 (2016)
  • 著者名/発表者名: 原田大樹
  • 学会等名: 国立国会図書館政策セミナー
  • 発表場所: 国立国会図書館東京本館（東京）
  • 年月日: 2016-03-09
  • 招待講演
• [学会発表] 地下水の公共性をめぐって――秦野市地下水保全条例事件を素材として―― (2016)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 学会等名: 国家による「非営利型移転」の支援と公共サービスの設計：最終シンポジウム
  • 発表場所: 京都大学（京都市）
  • 年月日: 2016-02-23
• [学会発表] 家族の変容と家族モデルの再検討――家族関係をめぐる財の移転を検討する手がかりとして―― (2016)
  • 著者名/発表者名: 木村敦子
  • 学会等名: 国家による「非営利型移転」の支援と公共サービスの設計：最終シンポジウム
  • 発表場所: 京都大学（京都市）
  • 年月日: 2016-02-23
• [学会発表] 生活保護法63条の費用返還義務について (2016)
  • 著者名/発表者名: 稲森公嘉
  • 学会等名: 国家による「非営利型移転」の支援と公共サービスの設計：最終シンポジウム
  • 発表場所: 京都大学（京都市）
  • 年月日: 2016-02-23
• [学会発表] 立法権限の画定と関係づけ――ドイツの連邦制を例に―― (2016)
  • 著者名/発表者名: 服部高宏
  • 学会等名: 国家による「非営利型移転」の支援と公共サービスの設計：最終シンポジウム
  • 発表場所: 京都大学（京都市）
  • 年月日: 2016-02-23
• [学会発表] 国家による再分配の限界の限界？――公営住宅約款の暴力団排除条項―― (2016)
  • 著者名/発表者名: 仲野武志
  • 学会等名: 国家による「非営利型移転」の支援と公共サービスの設計：最終シンポジウム
  • 発表場所: 京都大学（京都市）
  • 年月日: 2016-02-23
• [学会発表] ドイツ取消訴訟における事案の成熟性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 学会等名: 東北大学公法判例研究会
  • 発表場所: 東北大学（仙台市）
  • 年月日: 2015-12-19
• [学会発表] グローバル化と公法学の課題 (2015)
  • 著者名/発表者名: 原田大樹
  • 学会等名: 京都大学法学会平成27年度秋季学術講演会
  • 発表場所: 京都大学大学院法学研究科（京都市）
  • 年月日: 2015-12-10
• [学会発表] 取消訴訟における「完全な審査」――ドイツ法の分析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 須田守
  • 学会等名: 関西行政法研究会
  • 発表場所: 大阪学院大学（大阪府吹田市）
  • 年月日: 2015-11-22
• [学会発表] 権利保障と憲法的協働―政治部門・社会領域と司法府との「対話」をめぐって (2015)
  • 著者名/発表者名: 尾形健
  • 学会等名: 日本公法学会第80回総会
  • 発表場所: 同志社大学（京都市）
  • 年月日: 2015-10-18
• [学会発表] 法人税の課税ベースと消費課税 (2015)
  • 著者名/発表者名: 岡村忠生
  • 学会等名: 日本租税研究協会第67回大会
  • 発表場所: 日本工業倶楽部（東京）
  • 年月日: 2015-09-17
  • 招待講演
• [学会発表] Die Rolle von Verfassungsrecht - bei Rawls, Habermas und in Japan (2015)
  • 著者名/発表者名: 毛利透
  • 学会等名: 1. Deutsch-Japanisches Verfassungsgespräch
  • 発表場所: 慶應義塾大学（東京）
  • 年月日: 2015-09-14
  • 国際学会
• [図書] 芝池義一先生古稀記念 行政法理論の探求 (2016)
  • 著者名/発表者名: 曽和俊文＝野呂充＝北村和生＝前田雅子＝深澤龍一郎（編著）、磯村篤範、高木光、野田崇、岩本裕史、太田直史、佐伯祐二、朱芒、西田幸介、林晃大、南川和宣、石塚武志、金僘祚、黒川哲志、谷口勢津夫、長谷川佳彦（執筆順。以下略）
  • 総ページ数: 612（61-78(高木光「法治主義と信頼保護――教員採用の職権取消を素材とした一考察――」)）
  • 出版者: 有斐閣
• [図書] 判例憲法（第３版） (2016)
  • 著者名/発表者名: 大石眞＝大沢秀介＝新井誠＝上田健介＝尾形健＝小谷順子＝田近肇
  • 総ページ数: 438
  • 出版者: 有斐閣
• [図書] 行政救済法（第２版） (2015)
  • 著者名/発表者名: 高木光＝常岡孝好＝橋本博之＝櫻井敬子
  • 総ページ数: 464（1-68）
  • 出版者: 弘文堂
• [図書] 行政法 (2015)
  • 著者名/発表者名: 髙木光
  • 総ページ数: 528
  • 出版者: 有斐閣
• [図書] 税制改革と国際課税（BEPS)への取組 (2015)
  • 著者名/発表者名: 岡村忠生
  • 総ページ数: 195（82-106(岡村忠生「法人税の課税ベースと消費課税」)）
  • 出版者: 公益財団法人租税研究協会
• [図書] 財産管理の理論と実務 (2015)
  • 著者名/発表者名: 水野紀子=窪田充見（編著）、山本敬三、片山直也、大村敦志、武田直大、齋藤由起、岩志和一郎、金山直樹、河上正二、冷水登紀代、床谷文雄、宮本誠子、松井和彦、幡野弘樹、道垣内弘人、潮見佳男、古谷恭一郎、遠山信一郎（執筆順、以下略）
  • 総ページ数: 596（23-61山本敬三(「民法の改正と意思能力の明文化－その意義と残された課題」)）
  • 出版者: 日本加除出版
• [図書] 憲法の基底と憲法論 高見勝利先生古稀記念 (2015)
  • 著者名/発表者名: 岡田信弘＝笹田栄司＝長谷部恭男（編著）、愛敬浩二、渋谷秀樹、坂口正二郎、毛利透、蟻川恒正、林知更、矢島基美、岩本一郎、西村裕一、大島佳代子、小島慎司、髙橋和之、辻村みよ子、只野雅人、浅野善治、宍戸常寿、川岸令和（執筆順、以下略）
  • 総ページ数: （93-105毛利透(「憲法の前提としての国家と憲法による国家統合」)）
  • 出版者: 信山社
• [図書] 小学校で法を語ろう (2015)
  • 著者名/発表者名: 同志社大学法教育研究会（新井京＝尾形健＝戒能通弘＝釜田薫子＝川崎友巳＝濱真一郎＝林貴美＝渡邊暁彦）訳
  • 総ページ数: 232
  • 出版者: 成文堂
• [図書] グローバル化と公法・私法関係の再編 (2015)
  • 著者名/発表者名: 浅野有紀＝原田大樹＝藤谷武史＝横溝大（編著）、大西楠・テア＝興津征雄＝小畑郁＝村西良太（著）
  • 総ページ数: 370
  • 出版者: 弘文堂