研究課題/領域番号 |
24243012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐伯 仁志 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10134438)
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研究分担者 |
白石 忠志 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30196604)
大澤 裕 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60194130)
森田 宏樹 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70174430)
神作 裕之 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70186162)
山本 隆司 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70210573)
橋爪 隆 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70251436)
宇賀 克也 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90114397)
樋口 亮介 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (90345249)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 刑法 / 刑事法 |
研究概要 |
平成24年度の研究においては、刑事法と他領域に交錯する問題として、まず金融商品取引法をめぐるエンフォースメントの問題について検討を加えた。具体的には、相場操縦の罪、インサイダー取引の罪などの金商法上の犯罪類型の解釈について検討を加えるとともに、金商法の没収・追徴規定や課徴金納付命令の関係、情報開示規制やインサイダー規制に関する立法論的な在り方など、エンフォースメントをめぐる諸問題についても包括的な検討を加えた。 また、銀行業務をめぐる刑事法的な問題点についても、検討を開始した。具体的には、①銀行預金の払戻行為がいかなる限度で刑法上の財産犯罪を構成するか、②銀行に預金された金銭について、預金名義人や預金の管理者に刑法上の占有を認めることが可能かなどの解釈問題について、最近の民事判例・学説の動向を踏まえつつ、理論的な検討を加えることができた。 これらの研究においては、刑事法と他領域の研究分担者等がともに参加する研究会を定期的に開催し、それぞれの領域における問題状況について議論を加えることによって、刑事法の問題関心にとどまらず、問題状況を正確に把握し、多角的な検討を加えることができた。次年度以降も、このような研究手法をさらに継続し、議論を深化させることが期待される。 なお、本年度の研究としては、さらに独占禁止法におけるエンフォースメントの在り方や刑事制裁と非刑事的制裁の関係などについても、研究を開始しており、次年度以降は、これらの研究もさらに継続させる必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金融商品取引法や独占禁止法などの分野については、既に一定の研究業績を公表することができた。また、銀行業務をめぐる犯罪についても、定期的な研究会を開催することによって、相当に議論が深化されており、次年度以降に具体的な研究成果を公表することが十分に可能な状況に至っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度においても、独占禁止法をめぐる問題や銀行取引をめぐる問題については、重点的な検討を継続することにしたい。今年度、検討を加える具体的なテーマとしては、①独禁法のエンフォースメントについては、課徴金納付命令の運用の在り方、公正取引委員会の行政調査・犯則調査の関係、不当な取引制限罪の解釈上の問題点など、②銀行取引をめぐる問題については、銀行取引をめぐる犯罪の成否について解釈論的な検討を加えつつ、電子的資金移動をめぐる法的問題についても分析を加えることを予定している。 具体的な研究方法としては、24年度に引き続き、関連する国内外の文献を網羅的に収集し、それらについて分析を加える。また、入手困難な資料については、インターネット等を利用して情報収集を行う。これらの文献調査の研究成果に基づき、研究代表者・分担者による定期的な研究会を開催することも24年度同様である。また、現場の問題意識や課題を正確に理解するために、実務家との意見交換の機会も設ける予定である。
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