研究課題/領域番号 |
24243013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水野 紀子 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40114665)
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研究分担者 |
大村 敦志 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30152250)
早川 眞一郎 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (40114615)
小粥 太郎 一橋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40247200)
久保野 恵美子 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70261948)
澁谷 雅弘 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80216035)
桑村 裕美子 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (70376391)
阿部 裕介 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (20507800)
石綿 はる美 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10547821)
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研究期間 (年度) |
2012-10-31 – 2015-03-31
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キーワード | 家族法改正 / 親族法 / 相続法 / 親子法 / 親権法 |
研究概要 |
本研究計画の研究目的は、家族法(親族・相続法)の分野における改正案を提示することである。とりわけ、1996 年に公表された民法改正要綱の対象とならなかった親子及び相続の分野を中心に研究を進める。これらの領域では、なお歴史的及び理論的な基礎研究が不足しており、他方で、現代社会において解決を迫られている諸問題に対応するために必要となる領域横断的な研究が十分になされてこなかった。そこで、本研究は、歴史的および理論的な研究の不足を補い、社会保障法、租税法、労働法、国際私法等との領域横断的な研究を進めることにより、家族法改正のための基礎的知見を充実させたうえで、その活用により、家族法の改正案を提示することを目指している。 平成24年度は初年度にあたり、基礎的な作業、すなわち文献収集や研究会開催などを主とした。基盤Aにしては、比較的低額の資金規模であるので、海外出張の経費をあまり支出できないのが難であるが、労働法についてはドイツに出張して最新の資料を収集することも行った。東北大学に所属するメンバーは、日常的に研究会を開催して情報の共有をしているが、それ以外にも外部から研究者を招いてメンバーの研究の手薄いところを補強するような研究会も行った(たとえば、2013年3月10日(日)中京学院大学経営学部・佐藤千恵氏「イギリスにおける子のための陳述書提出制度」など)。 本年度は、メンバーの多く(研究代表者のほか、河上正二、大村敦志、久保野恵美子、桑村裕美子ら)が寄稿した水野紀子編『社会法制・家族法制における国家の介入』有斐閣が出版された。この業績は直接的には本年度に終了したグローバルCOE「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」拠点の成果として出版されたものであるが、内容的には、本研究計画と重なるものであり、そこに収められた諸論文は、本研究計画の実質的出発点を明確にする業績である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画は、3年計画で、基礎研究、領域横断、立法論策定というグループに分かれて研究計画を進める計画であったが、立法論策定のためには、基礎研究も領域横断研究も不可欠であり、どの課題もそれぞれ独立して進行できるものではないことが確認できたので、これらのグループ研究をより柔軟に再構成することにした。また第一線の研究者によって構成されている本研究計画は、現在進行形で進行している立法や行政指針策定にも関与する研究者が多く(たとえば、ハーグ国際条約の受け皿となる国内法の整備作業にも関与する早川眞一郎、保護者制度の改正に関与する久保野恵美子等)、具体的な立法そのものとの同時並行作業ともなっている。基礎研究においては、阿部裕介、石綿はる美らの本格的な研究が進行しており、平成25年度以降に活字になる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度からは社会保障法の研究業績を有する嵩さやかが研究メンバーに加わり、租税法を専門として家族法との交錯領域の問題にも取り組んできた澁谷雅弘とも協力することによって、領域横断研究が一層、本格化できる予定である。また昨年度にまして研究会などを計画し実行するとともに、同性婚が立法されたばかりのフランスなどへの海外出張も計画し、最先端の議論を反映して、最終年度の立法案策定の準備を蓄積する。
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