本研究の目的である①中国の経済成長がその対外政策や安全保障政策にいかなる影響を及ぼしているかの分析②中国の台頭と時を同じくして起こっている東アジアの地域協力の動向の分析③関係各国が中国の台頭と東アジア地域協力をどのように関連づけて政策形成をしているかの分析の研究を進めるために、継続的な文献調査・分析を進めるとともに、H26年9月にモスクワ、H27年2月には北京に出張し、関係者への聞取りや意見交換を行った。 もう一つの研究目的である④中国の台頭と地域協力の関係に関する国際政治の理論を検討するため、聞き取り調査などで収集した資料やデータを活かしながら、意見交換をしたり分析をしたりし、国内での報告会や研究発表をするという点においても、予定通り意見交換や国内での研究発表等を行い、H26年12月には三年間の研究成果発表のため、シンポジウム「中国・東アジア・世界秩序」を開催した。 本研究が明らかにした重要な論点は①中国の経済成長は着実に中国の対外行動に影響をあたえており、経済規模が大きくなるとともに、強硬的な失地回復的な行動と協調的行動の両者が生み出されている。②強硬行動と協調行動のいずれが強くでるかは、指導者の戦略認識とともに国内政治に影響される。③東アジアの地域協力の枠組みは成長しており、中国はこの枠組みに拘束されるとともに影響もあたえている。④中国に協調的行動をとることを促す要因は数多いが、これだけやればよいという決定的なものはない。経済相互依存の深化、安全保障の安定、中国を取り込んださらなる国際的制度化などを着実に組み合わせる必要がある。の4点である。 研究代表者及び連携研究者(浅野亮、平岩俊司、松田康博、大庭三枝、益尾知佐子、林載桓、毛利亜樹)は、これまでの研究実績に、上記の資料収集と研究活動成果を活かし、雑誌論文4件、学会報告13件、著書(共著を含む)11件を発表した。
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