研究課題/領域番号 |
24243037
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐々木 宏夫 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30196175)
|
研究分担者 |
片山 東 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (00595746)
Baak SaangJoon 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (30339923)
笠島 洋一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (30583166)
高瀬 浩一 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (50289518)
坂野 慎哉 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70272804)
福川 裕徳 一橋大学, 商学研究科, 教授 (80315217)
大門 毅 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (80329333)
鈴木 孝則 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90409631)
大川内 隆朗 帝京大学, 付置研究所, 講師 (70548370)
山野井 順一 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20386543)
|
研究期間 (年度) |
2012-10-31 – 2017-03-31
|
キーワード | 経済政策 / グローバル経済 / ビジネス慣行 / 会計制度 / 国際会計基準 |
研究実績の概要 |
本年度は第3年度であり、当初の計画にしたがい、各グループ((a)ビジネス経済、(b)グローバル経済、(c)経済制度)内とメンバー全体が参加する多数の会合を通して、複数の共同研究課題を推進した。特に、重要なアジェンダとして、「経済成長や市場整備が遅れた国々における会計制度に関する研究」(以下「途上国のビジネス経済学研究」と呼称)を中心とし、複数の共同研究活動が進行中である。例えば、IFRSのマクロ経済や金融市場に与える影響、ビジネス慣習が企業のパフォーマンスに与える影響、会計制度のネットワークやメカニズムデザイン理論、会計監査のプリンシパル・エイジェントモデル、会計制度の需要・供給分析などである。 従来からのセミナー(通称「金曜セミナー」:第2・4金曜日)を開催し、学内外の有力な研究者を招聘することにより、経済学と関連分野の研究フロンティアの共有に努めた。特に、今年度は第200回の開催を迎え、当科研プロジェクト以前から10年間継続した歴史を基に、今後の更なる発展への大きな契機となった。昨年度に引き続き、会計分野に関する研究フロンティアの確認と共同研究課題の実施に資するため、「経済と会計ワークショップ」として商・企業法分野の発表を1回開催した。 前年度に立ち上がった公式ホームページから、セミナー・ワークショップや共同研究に関する案内や情報が公開され、講演会やレクチャーの動画や資料配信の仕組みも整った。さらに、ビジネス慣習や会計制度に関するデータ収集のため、当プロジェクトにおいてアンケート調査用サーバが設置された。日本や世界の企業や機関を対象にした、大規模なアンケート調査を行う前段階として、世界各国の金融当局に対するメール配信とWEB回答による試験的な調査の準備を進展させた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当研究課題は例外的に一昨年度途中(平成24年11月1日)から補助金が開始されたため、昨年度は最低限のメンバー変更が余儀なくされた。今年度は研究分担者を中心にメンバーの顔触れは安定し、共同研究課題の進展に望ましい陣容が整った。 各メンバーの着実な取り組みにより、当プロジェクトの主な研究課題は、全体としてほぼ申請時の研究計画に沿った状況にある。現在、「IFRS採用の開発援助配分に与える影響」、「会計基準に対する会計監査人の反応」、「財務諸表監査と日本企業の国際化」、「会計監査市場における監査報酬と質との関係」、「海外進出企業の創業者経営の影響」など、昨年から引き続き有望な共同研究が順調に推移しており、暫定的な研究結果も随時産出されている状態である。 今年度の金曜セミナーは、ゲーム理論、戦略的政治選択理論、マッチング理論、メカニズムデザイン、空間経済学、マクロ動学理論、環境経済学、貨幣マッチング理論など、新進気鋭の若手研究者を中心に招聘し、当プロジェクト内外における新たな研究フロンティアの共有と拡大に努めた。また、ビジネスに関連する分野として、経営学を専門とする研究者計2名に発表を依頼し、経営学と経済学の垣根を越えて、分野横断的な研究推進への可能性を広げた。 公式ホームページ(「ビジネスの慣習と会計制度に関する経済学的研究(http://waberg.jp)」)では、一昨年度末に開催されたキックオフ・イベント(国際ワークショップ)の動画配信が、昨年度設置された当プロジェクト専用サーバを経由することにより開始された。さらに、同サーバを起点とし、次年度に繰り越された資金を用いることにより、世界各国の政府、金融機関、主要企業等に対するWEBアンケート調査も実施する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
当研究課題は例外的に一作年度途中(平成24年11月1日)からスタートし、メンバー全員による懸命な努力により実質的に初年度となった昨年(平成25)度を何とか乗り切り、今年(平成26)度はようやく申請時の計画に沿って進展する段階に至った。 来年度以降の主要な目標は、計画通り研究を進行することに留まらず、新たな研究方向性を含めてテーマや研究対象の質的かつ量的拡大を目指すことである。定期的な全体ミーティングに加え、各研究グループ内の情報交換を密にし、現地調査を含めて共同研究課題をできるだけ迅速に進めていく。さらに、各メンバーによるオープンかつ積極的な議論を積み重ねることにより、新たな研究課題にも挑戦する。その過程で、各メンバー単位の研究を含めて、暫定的な研究成果が出次第、各グループ・プロジェクト全体で共有し、当ウェブサイト、および、学会やセミナー発表等を通じて、積極的に外部に情報発信していきたい。 昨年度設置した当プロジェクトの専用サーバを使い、国内外の上場および非上場企業に対する広範囲なWEB回答によるアンケート調査を行う。その前段階として、現存するIFRS採用国データの改訂を目的とする試験的な調査を実行する。その準備として、既存のIFRS採用に関する同種のデータセットの比較確認を完了し、メール配信のためのメールアドレスリストの作成を行い、できるだけ慎重かつ迅速に準備を完了する。 幅広い研究フロンティアの情報を共有するため、初年度同様に、セミナーやワークショップを積極的に開催する。新進気鋭の若手研究者から、世界的に著名な研究者に至るまで、国内外から優秀な講演者を多数招聘する。同時に、当プロジェクトメンバーもセミナーやワークショップで発表する。
|