研究課題/領域番号 |
24243045
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
城山 智子 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (60281763)
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研究分担者 |
神田 さやこ 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00296732)
松原 健太郎 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (20242068)
村上 衛 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50346053)
杉原 薫 政策研究大学院大学, 教授 (60117950)
平井 健介 甲南大学, 経済学部, 講師 (60439221)
籠谷 直人 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70185734)
宮田 敏之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70309516)
島西 智輝 香川大学, 経済学部, 准教授 (70434206)
脇田 玲 慶應義塾大学, 環境情報学部, 准教授 (90383918)
木越 義則 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (00708919)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 19世紀 / 世界貿易 / 比較経済史 / アジア / 制度 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
18世紀後半から第一次大戦までの「長期の19世紀」には、世界経済の画期となる貿易の質的変化と量的拡大がみられた。その動因について、従来は、西欧の工業製品と非西欧の資源・第一次産品をめぐる双方向の長距離貿易を中心に検討されてきたのに対して、本研究は域内で生産された農作物・軽工業品心に多角的に展開されたアジア域内貿易に焦点を当てて分析し、データ(18-20世紀アジア主要港貿易統計データ・ベースの構築)、分析枠組み(主要貿易商品の取引連鎖(Commodity Chain)分析)、分析ツー ル(時空間分析ツールによる貿易の空間分布とその時系列的変化の可視化)のそれぞれに関して、新たなアプローチを採ることで、貿易拡大の動態を明らかにし、その制度的基盤を示すことを課題としている。平成25年度、貿易統計・時空間分析班は、木越が作成した中国海関統計分析のフォーマットに合わせて、中国主要港の貿易統計データベースの構築を終えた。商品連鎖・取引制度班も、各地域での一次史料調査を通じて、貿易ルートとそこでの取引制度に関する情報の収集・分析を続けた。そうした成果を踏まえて、国際ワークショップ“Exploring the Economic History of India and the Indian Ocean World from the 17th to the 19th Century” (2014年3月19日、於 プネ大学歴史学部、プネ、インド)を開催し(参加者:城山、神田、木越、平井、島西)、交易圏と商人ネットワークとの関係について、西インドをフィールドとする現地の研究者と討論を行い、また、研究協力について打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
貿易統計・時空間分析班は、アジア域内の貿易統計の中で、最も完備されたものの一つである、中国海関統計をベースとして、貿易統計データベースのフォーマットを作成し、更に、それに沿って、中国主要港のデータベースの構築を終えることができた。貿易統計データベースの構築と並行して、各商品に関する各地を結ぶ貿易ルートとそこでの取引制度に関する情報の収集・分析も進んでいる。そうした分析の成果を、国際ワークショップで発表することを通じて、外部の専門家から、有益なフィードバックを得ることが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、貿易統計・時空間分析班と商品連鎖・取引制度班によって構成され、統括班が両班での進捗状況を把握し連携を促す。貿易統計・時空間分析班は、木越が作成した中国海関統計分析のフォーマットに合わせて、アジア各港の統計データを入力する。更に、貿易統計データベース構築及び商品連鎖分析の進捗状況に合わせて、時空間情報データの構築を開始する。商品連鎖・取引制度班も、引き続き各地域での一次史料調査を通じて、貿易ルートと取引制度に関する情報を収集する。そして、平成26年度末には、本研究の成果発表を予定している、世界経済史会議(平成27年8月3-7日、於京都国際会館)でのセッション"Formation of Logistics Clusters in the Age of Global Trade Expansion:The Cases in Asia from the 19th to the 20th Century"の準備を行うために、海外の研究協力者を招聘して国際ワークショップを開催し、発表論文の予備報告を行う。
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