研究課題/領域番号 |
24243048
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 敏男 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20205470)
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研究分担者 |
平山 弘 阪南大学, 流通学部, 教授 (00368383)
松村 政樹 大阪商業大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10340019)
松村 真宏 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (10379159)
関口 倫紀 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20373110)
中川 功一 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (40510409)
金井 一頼 大阪商業大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50142831)
ウィラワン ドニ・ダハナ 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90432426)
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研究期間 (年度) |
2012-10-31 – 2015-03-31
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キーワード | 経営学 / 技術経営 / イノベーション |
研究概要 |
平成24年度の研究実施計画は,①文献及び事例収集,②事例分析,③変数定量化,及び④理論モデル構築であった。文献収集は研究進捗に応じて,適宜進めたので,以下では割愛し,(1)事例収集・分析,(2)変数定量化,及び(3)理論モデル構築について,実績報告する。 (1) 事例収集・分析 事例については,国内では,研究協力者が勤務する大阪ガス(株)と北海道札幌バレー参画企業を,海外では,米国シリコンバレーに駐在する旭化成(株)のCVC室,味の素(インドネシア及びタイ),Lixil(タイ),INOAC(タイ)等の企業他,ニューヨーク,インドネシア,タイ等の大学を訪問し,オープンイノベーションに関する分析を行った。その狙いは,オープンイノベーションが最も進んでいるシリコンバレーと比較して,発展途上国がどの程度のステージにあるのかを確認し,オープンイノベーションに関する新たな理論モデルを構築するためである。 (2) 変数定量化 オープンイノベーションをモデル化するために,とりわけ国内大学における産学連携活動を中心にヒアリング調査を行い分析し,独立変数の抽出を試みた。「情報の粘着性 information stickiness」を鍵疑念とし,それを低減するうえで重要となる「コミュニケーション頻度」「コミュニケーション媒体」,「担当者の属性(専門職,事務職等々)」を目下の独立変数とし,従属変数としては,案件の成功度を選択しモデル化を試みた。 (3) 理論モデル構築 (1)及び(2)を通じて,本年度の実績において特筆すべきことは,オープンイノベーションモデルが,じつは,BOP(Bottom Of the Pyramid)ビジネス,途上国支援,産業再生等に活用可能であることが判明したことである。プロジェクトマネジメントという視点からすれば,当然のことかもしれないが,狭小なイノベーション市場での取引を超越して「商流プラットフォーム」の構築の重要性を理論展開することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事例収集・分析については,BOP,途上国支援,産業再生という観点を組み入れることによって,新たな理論化の可能性が広がった。ただモデル化については,操作性を重視したため,大学での産学連携活動に焦点を絞っている点が,若干の問題点と認めざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
それほど大きな変更はないが,BOP,途上国支援,産業再生という観点を,次年度以降も掘り下げていく予定である。
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