研究課題/領域番号 |
24243052
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
小久保 恵三 流通科学大学, サービス産業学部, 教授 (50341003)
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研究分担者 |
石井 淳蔵 流通科学大学, 商学部, 教授 (50093498)
廣田 章光 近畿大学, 経営学部, 教授 (60319796)
水越 康介 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (60404951)
藤野 公孝 流通経済大学, 社会学部, 教授 (60580313)
高橋 一夫 近畿大学, 経営学部, 教授 (90469304)
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研究期間 (年度) |
2012-10-31 – 2015-03-31
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キーワード | 観光 / ビジネス・エコシステム / マーケティング |
研究概要 |
平成24年11月より研究を開始し、これまでの研究知見をもとにしながら、観光分野をビジネスエコシステムの観点から考察することを試みた。理論的、実証的研究という点において、それぞれ知見を得ることができ、次年度以降の研究に大きな弾みをえることができた。 理論的研究については、ビジネスエコシステムについての検討が行われ、ビジネスシステムや経済的合理性に捉われない広い視点の重要性が確認された。単独では採算の合わない事業も、一つ視点を上げることができれば、むしろ社会的なコストを削減し、極めて合理的な事業となる。ビジネスエコシステムはこれまでよりも一つ広い視点から現象を捉え直し、事業のあり方を問い直す契機をもたらすものと期待された。さらに、観光事業を担うことの多い公共・非営利組織の考察が進められる中で、これらの定義可能性が疑問視され、むしろ実践において公共性・非営利性が問われ続けるということにこそ、研究の焦点がありうることが検討された。 実証的研究については、津和野町の歴史的分析を先行的に開始し、長期的な研究視座の重要性を再確認した。また、海外における研究についても、シンガポールの観光政策におけるトップとの面談が実現し、今後の研究展開を担う上で重要な知見と関係性の構築を進めることができた。シンガポールの視察・対談を通じて、観光研究において今現在何が検討されねばならないのかが明らかになるとともに、その検討事項を捉えるに際して必要となるヒアリング先がはっきりと見出された。これらは、本研究においてこれまで捉えにくかった観光組織のマネジメントの考察を発展させる上でまたとない重要な機会であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、理論的・経験的考察を進めることを想定していた。当初予定通り、限られた時間ではあったものの、研究代表者、研究分担者が効率的、かつ集中的に作業を進めることができた。特に、当初計画との変更点として、非常に重要な研究知見をヒアリングを通じてえることができ、次年度以降の経験的考察の視野が大きく広がった。この成果は、理論的考察を刷新させる契機でもあり、研究初年度としては非常に重要な意味を持った。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定通り、理論的・経験的考察を進める。また、先の経験的考察での重要な発見と関係性の構築に伴い、本年度予算を次年度に繰り越す手続きを行なった。当の内容についてはすでに概要、時期ともに確定しており、随時スムーズな研究の推進を試みる。 次年度の研究をもとにして、それ以降の考察方針を改めて確認するとともに、研究・予算の適切な執行のため、できるだけ前倒ししながら計画を立てていく予定である。
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