研究課題/領域番号 |
24243062
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 猛 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70281061)
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研究分担者 |
平島 雅也 国立研究開発法人情報通信研究機構, その他部局等, 研究員 (20541949)
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研究期間 (年度) |
2012-10-31 – 2016-03-31
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キーワード | 教育系心理学 / 創造性 / ダンス |
研究実績の概要 |
本年度では、表現の獲得過程を検討する縦断的実験(研究1)、即興表現場面を対象とした実験、予備実験(研究2、研究3)を行い、ダンス表現教育プログラムを作成する上で重要と考えられる要因を抽出した。 最初に、表現の獲得過程を検討する縦断的実験(研究1)に取り組んだ。即興表現場面に関する過去の実験研究や予備調査から、ダンサーが長期間に渡る練習を通して獲得・創造した表現を利用し、共演者や音楽に触発されて新しい表現を生成していくことが示されており、まず練習を通して獲得・創造される表現の基本的性質や変化過程を検討する必要があると考えられた。そのため、ダンサーが領域に既に存在する表現や新しい表現を獲得・創造していく縦断的な実験場面を設定し、その過程を検討した。分析については、モーションキャプチャーシステムにより測定した身体運動指標(関節角度空間など)と内省報告等により取得した心理指標という2つの観点から検討を行った。 次に、即興表現場面を対象とした実験を行った(研究2、研究3)。まず、ダンサーの情動に着目した実験に取り組んだ(研究2)。この実験では、リズム・テンポの異なる音楽を刺激として用い、ダンサーの情動を変化させることで表現に生じる影響を検討した。分析では、研究1と同様に身体運動指標と心理指標の2観点から検討を行った。研究2については、データの分析、被験者の追加を行っている状態である。 さらに、個人の体性感覚(触覚や固有感覚)に着目した実験を行った(研究3)。実験では、圧迫刺激等の手法により体性感覚情報を操作した条件と、通常の条件とを比較し、体性感覚情報が表現に与える影響を検討した。分析については、研究1、研究2と同様に身体指標、心理指標の2つから検討を行っている。なお、研究3については予備実験を実施済みであり、今後被験者の追加による本実験を実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年4月から8月に実施した縦断的実験及び予備実験の結果、当初の予想に反し、即興表現場面において音楽や他者との複雑な相互作用が生じており、研究遂行上、この相互作用を詳細に検討することが必要とされた。その為、研究方式の変更、再度の予備実験を行い、新しい研究方式の有効性を確認する必要が生じた。研究方式の変更、再度の予備実験の実施を行ったため、即興場面に関する体性感覚に着目した実験(研究3)に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度では、まずダンサーの情動に着目した研究2について、さらなる分析・被験者の追加を行い、即興表現場面で重要と考えられる要因を抽出する(4月~7月)。また、体性感覚に着目した研究3についても本実験を行い、同様の要因抽出を行う(4月~7月)。さらに、上記2つの研究と、26年度に実施した表現の獲得に関する縦断的実験の結果とを合わせ、ダンス表現教育プログラムを行う上で重要となる要因を整理・統合する(4月~8月)。 そして上記の研究成果を組み込んだ表現教育プログラムを考案・作成し、大学生を対象にした教育実践を行っていく(4月~1月)。教育実践については、4月~8月と1月の2回に渡って実施する予定であり、教育プログラムのデザインとその教育効果の検討を繰り返し実施することで、教育プログラムを実践に沿ったものとしてより洗練していく予定である。最終的には、教育実践とその効果、作成された教育プログラムの内容について、関連学会等で発表していく予定である。
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