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2012 年度 実績報告書

正義観の心理・神経・生理・進化的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 24243068
研究種目

基盤研究(A)

研究機関名古屋大学

研究代表者

大平 英樹  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90221837)

研究分担者 鈴木 慎太郎  愛知学院大学, 法学部, 准教授 (00402389)
川合 伸幸  名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (30335062)
森際 康友  名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40107488)
片平 健太郎  独立行政法人理化学研究所, 情動情報連携研究チーム, 客員研究員(Researcher) (60569218)
川口 潤  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70152931)
唐沢 穣  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90261031)
田邊 宏樹  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20414021)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード実験系心理学
研究概要

平成24年度には、代表研究者、分担研究者により隔月で研究会を開催し、心理学・神経科学・法哲学の観点から正義の概念について検討した。この過程で、公正と正義の概念は密接に関連しつつも、相違もあることが明らかになり、本研究課題では、その差異にも着目して検討を続けていくことが確認された。
代表研究者(大平)は、新たに雇用したリサーチ・アシスタントの林と共に、最後通牒ゲームや独裁者ゲームなどの交渉ゲーム・パラダイムを応用して公正と正義の問題を検討すべく、実験課題を検討し、心拍や皮膚伝導反応などの自律神経系の生理反応を測定する予備的実験研究を繰り返した。
分担研究者の川合は、公正の問題を進化的観点から検討するために、サル(マーモセット)を用いた実験研究を行うべく、装置の設計と作成を行った。これと並行して、被験体として使用するマーモセット2体の馴致訓練を行った。
分担研究者の唐沢は、主として裁判員裁判における量刑判断事態を対象として、同一の犯行であっても、被疑者の道徳性が、それに対する量刑に影響することを、調査研究により検討した。
これらの予備的知見について検討・議論した結果、経験科学である心理学や神経科学と規範的研究を行う法哲学の間には、相当の概念上の差異が存在することが明らかになり、本研究課題において、両者をどのように接合し統合していくのかが、今後の重要な検討課題であることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

最後通牒ゲームや独裁者ゲームを用いた研究を計画していたが、予備的実験研究を行っている間に、国内外の他研究機関において類似した研究が進行中であるという情報を入手した。新奇性を確保するため、これらの研究について情報収集する必要が生じ、またその結果に基づいて我々の研究計画の一部変更が必要になったため、予定より進行が遅れた。

今後の研究の推進方策

新たな研究計画を策定し、予備的実験研究を継続しており、その成果に基づいて今後の研究を展開する。
また、分担研究者の川合による動物研究は準備が予定どおり進行しており、唐沢による社会心理学的研究でも一定の成果が得られつつあるので、これらは当初の計画どおり進行する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Pro-inflammatory cytokine predicts reduced rejection of unfair financial offers2013

    • 著者名/発表者名
      Ohira, H., Osumi, T., Matsunaga, M., & Yamakawa, K.
    • 雑誌名

      Neuroendocrinology Letters

      巻: 34 ページ: 47-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Eye-blink behaviors in 71 species of primates2013

    • 著者名/発表者名
      Tada, H., Omori, Y., Hirokawa, K., Ohira, H., Tomonaga, M.
    • 雑誌名

      Plos One

      巻: 8 ページ: e66018

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0066018

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Amygdala dysfunction attenuates frustration-induced aggression in psychopathic individuals in a non-criminal population2012

    • 著者名/発表者名
      Osumi, T., Nakao, T., Kasuya, Y., Shinoda, J., Yamada, J., Ohira, H.
    • 雑誌名

      Journal of Affective Disorders

      巻: 142 ページ: 331-338

    • DOI

      doi.org/10.1016/j.jad.2012.05.012

    • 査読あり
  • [学会発表] 意思決定に伴う脳と身体の機能的関連

    • 著者名/発表者名
      大平 英樹
    • 学会等名
      日本ヒト脳機能マッピング学会
    • 発表場所
      札幌市
    • 招待講演
  • [学会発表] 幸福は何でできているか

    • 著者名/発表者名
      大平 英樹
    • 学会等名
      中部哲学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 幸福(感)は自然化できるか

    • 著者名/発表者名
      大平 英樹
    • 学会等名
      日本心理学会ワークショップ
    • 発表場所
      東洋大学

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公開日: 2015-05-28  

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