研究概要 |
当初の計画に従って、三つの分野で作業を進めた。 第一はマクロ分析である。主要国の高等教育に対する資金フローの基本的な比較を行った。特にアメリカについては、1980年代以降の、高等教育財政への市場メカニズムの導入について、詳細な分析を行った。その成果の一部は、金子元久「高等教育財政の展望」、『高等教育研究』15(2012年)、pp9-28に発表した。 第二はメゾ分析である。この分野では特に、日本の国立大学法人制度の特質を、各国の類似制度との比較で分析した。その成果は、“Japanese Higher Education and the State in Transition,” in Roger Goodman, Takehiko Kariya and John Taylor eds. Higher Education and the State, 2013, Oxford: Symposium Books, pp.171-198.などにおいて発表した。 第三はミクロレベルにおける、個別大学の資源配分とその効果についての分析である。これについては、前におこなった『全国学生調査』、『大学教員調査』のデータを再分析し、その結果を理論的に解釈することに努めた。その結果は『大学教育の再構築』(玉川大学出版会、近刊)、“Transformation of College Education Backgrounds and Prospects,” Education Forum and International Conference on School Development, Beijing Capital University 16-18 June,2011. Beijing, China、などに発表した。
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