我々は平成24年度から26年度まで、文部科学省科学研究費(基盤A)で「聴覚障害児の早期教育の統合的プログラム」を開発するため、東京近郊の代表的な早期教育機関で、小学校入学までのクリティカルパス(教育経路)につき調査を行った。調査した総ての教育機関は独自のアウトカム(成果)とクリティカルパスを確立させていることが明らかになった。日本手話を用いる教育機関のパスは発見当初の母子関係を容易に成立させるが、日本語学習には多くの努力を必要とする。人工内耳のパスは、母子深い愛着関係が成立する時期に手術等の大きな負担がかかる。これらのパスの特徴、連携などを考慮した総合的なプログラムを現在開発中である。
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