研究課題/領域番号 |
24244007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
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研究分担者 |
山田 道夫 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90166736)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ナヴィエ-ストークス方程式 / 特異摂動 |
研究概要 |
一般化されたProudman-Johnson方程式の解の分岐構造と特異摂動解の計算を行った。その大部分は摂動展開法で正当化することができた。turning point のある分岐の枝を示す表示式を理論的に得た。それは数値解と非常に良く合っている。レイノルズ数が無限大になる場合や、ゼロに漸近する場合に不思議な特異摂動現象を発見した。その理論的解明は現在進行中である。例えばバーガース方程式に現れるような不連続関数に漸近するような特異摂動解が数値的に得られた。韓国の中央大学の金善喆教授との共同研究で、漸近展開した解で良く近似できることがわかった。 Constantin-Lax-Majda方程式の一般化においてパラメータが正の場合を考えた。この場合には解の爆発が起きるかどうかは未解決である。この場合に多くの定常状態と進行波が存在することを突き止めた。進行波は定常解からの分岐解として実現する。特異点が発生するためにスペクトル法による数値計算は容易でない。その全体像は現在理解が進みつつあるが、パラメータが負の場合とはかなり様相が違うことを示した。パラメータがゼロもしくは無限大に近づくときに、内部遷移層が現れることがわかった。今まで知られているものとはどれとも異なっており、今後その漸近挙動を調べる予定である。また、パラメータが0と1の間にあるときには存在証明ができたが、そのパラメータが1を越えると、その証明は破綻する。その理由は理解できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
様々な数値実験を行い、内部遷移層を持つ解や不連続関数に漸近するものを得た。時間周期解の数値計算についても準備はできている。当初の目的は達成されたとして良い。
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今後の研究の推進方策 |
スペクトル法による数値計算には限度がある。今後は特異点を考慮した数値計算法を開発する予定である。また、コルモゴロフ流における時間周期解の数値計算を始める予定である。
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