研究課題/領域番号 |
24244015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
児玉 忠恭 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (80343101)
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研究分担者 |
林 将央 東京大学, 宇宙線研究所, 特任研究員 (30583554)
田中 壱 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (70374890)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 銀河形成 / 光赤外線天文学 |
研究概要 |
SWIMS用の中間帯域フィルターを6枚と狭帯域フィルター3枚を作成した。これらは、銀河形成活動が最盛期を迎える時代の銀河を極力無バイアスに取り出すために大変有用なフィルターであり、本課題の遂行のために必須のものである。前者の中間帯域フィルターは、銀河のスペクトルエネルギー分布の密なサンプリングにより、距離(赤方偏移)を精度よく求めるために用い、後者の狭帯域フィルターは、ある特定の赤方偏移範囲の星形成銀河から出る輝線を捕らえるためのフィルターである。特に狭帯域フィルターは水素の輝線(Hα;静止波長6563オングストローム)と酸素の輝線([OIII];静止波長5007オングストローム)とがペアで検出できるように工夫されており、2つの輝線が両方検出されたなら、分光確認をせずとも他の輝線(例えば[OII]エミッター、Hβエミッター、Paαエミッターなど)の紛れ込みがなく、ターゲット銀河を確実に選択できるユニークな特長を持っている。また両者の輝線の強度比からは、銀河の星形成領域のガスの電離状態まで調べることができる。これらの多くのフィルターによって、前人未到の系統的な超多色遠方銀河サーベイを行う計画である。これらの本格的な観測に備えて、密接に関連する最新の研究情報を仕入れたり、研究発表をするために、国内外の複数の研究会に出席した。また、探査計画の詳細(天域、広さ、積分時間、優先順序など)も検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界的な遠方星形成銀河研究の進展の結果を受けて、最善の輝線ペアを受けるためにフィルターの仕様を当初予定から変更したため、フィルターの最終仕様決定と作成に当初予定より長い時間がかかった(一部の資金を次年度に繰り越した)。しかし、平成25年度にはフィルターが完成し、遅れを取り戻した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は残りのフィルターを作成し、必要な全てのフィルターを完成させた。平成26年度以降は観測プロジェクトの本格的な戦略策定の段階に入り、そのための解析シミュレーションもスタートさせていく。また、プロジェクトの宣伝のため、国内外の研究会などで積極的に講演を行う。
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