研究課題
本研究のテーマの中心であり、世界ではじめての硬X線望遠鏡による太陽観測実験となったNASAのロケット実験(FOXSI、FOXSI2)の結果を解析を進めた。特に、FOXSI-2 ロケットではフレアを起こしていない比較的安定な太陽活動領域からの放射の検出に成功し、10 MK 以上の高温にまで至る広い温度範囲での太陽コロナの温度解析が可能となった。我々は FOXSI-2 のデータとともに、共同観測を行ったひので衛星のデータを解析し、この活動領域の温度構造を解析した。その結果、この活動領域の主な温度成分はおよそ3 MK であり、より高温の成分はエミッションメジャーにして6桁以上低いという、太陽コロナのナノフレア加熱のモデルが予言するよりもずっと少ないことがわかった。その一方で、FOXSI-2 の 7 keV 以上の観測から、量はごく限られているものの 10 MK 以上の高温のプラズマが存在することもつきとめることができた。FOXSI-2 に搭載した CdTe 検出器について、フライト後評価試験を行い、検出器の性能と特性、特に電荷が複数のストリップに分離するイベントを評価することができた。その結果、より精確な検出器応答の構築を行い、精度の高い観測データの解析ができるようになった。NASAにFOXSI-3の提案を行い、採択された、現時点での打ち上げ予定は2018年である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件)
Journal of Astronomical Instrumentation
巻: 05 ページ: 1640005,1640014
10.1142/S2251171716400055