研究課題
本研究は、(1)IDSAを用いたランドスケープ探査、(2)ボルツマンソルバーによる精密計算、(3)大質量星の準静的進化の計算、(4)ブラックホール形成チャンネルの研究、の4つの柱からなる。以下、各項目に関する今年度の成果を挙げる。(1)初期質量と金属量が異なる総計400モデルにも及ぶ親星に対して、IDSA法を用いた大質量星の重力崩壊の数値シミュレーションを系統的に行った。この結果、親星コアの密度集中度が爆発の可否の可能性を支配的に決める物理量であることを明らかにした。また、爆発エネルギーの成長率が大きいモデルにフォーカスし、数値コードの改良の上、バウンス後7秒にも及ぶ長時間計算を実行し、爆発エネルギーの飽和値が観測値に近くなることを確かめた。(2)京コンピュータにおいて、開発したボルツマンソルバーを用いた超新星の軸対称長時間シミューレションに成功した。また、軸対称を仮定しない6次元ボルツマン方程式による厳密計算と近似計算法を比較することにより、モーメント法による角度分布評価を定量的に行なった。さらに、電子捕獲反応による重力崩壊を記述する計算コードを開発し、核反応によるエネルギー生成の評価方法が超新星に与える影響についても明らかにした。(3)高速回転星の準静的進化を追うため、遠心力を含む軸対称2次元の力学平衡をラグランジュ変分法を用いた独自の手法で数値的に解くコードを開発し、オイラー法を用いた他の定式化による結果との比較を詳細かつ定量的に行った。結果は現在論文としてMNRASに投稿中である。(4)ブラックホール形成を定量的に計算するための一般相対論的ボルツマンソルバーの定式化と開発を行った。特に、原始中性子星の重心が球座標の中心からずれないようにメッシュを動かす手法を一般相対論の3+1分解で定式化する手法を確立した。結果は年度を越えたもののApJSに掲載決定となっている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 7件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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