HfO2と6nmのパリレンとの積層絶縁膜の作製方法を開発しSrTiO3単結晶上にチャネル長2μmのFETを作製した。サブスレショルド・スイングは170mV/dec以下、易動度は10cm2/Vsという非常に良いチャネルが形成できた。ホール効果より1e14/cm2ものキャリアが誘起されることが判明。ゲート絶縁膜の静電容量から予想される値の10倍である。このとき積層ゲート絶縁膜の静電容量は変化していない。SrTiO3表面で擬似モット転移が起き「負のキャリア圧縮度」つまり「負の静電容量」が生じたからだと考えられる。バンド絶縁体であるSrTiO3上で真のモットFETを動作させることに成功した。
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