ソフトマターの先駆的研究でノーベル物理学賞を受賞した故de Gennes教授は、詳細を無視する独特の手法により、様々な問題からシンプルな物理的本質を鮮やかにえぐりだした。この手法は、絵画の印象派主義を模して物理学の印象派とも称される。本研究はこの手法の広い有用性を示すために濡れ現象の研究を展開し、多くの研究協力者と共に多角的研究を行った。特に、フナ虫の脚でも活用されるテクスチャー表面への液体の浸透現象や、砂時計のような粉粒体のいくつかの系等について研究し、周辺異分野・製品開発現場の研究者にも有益なシンプルで直感的な理解を提供した。その成果の一部は国内・国際特許の出願にも繋がった。
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