研究実績の概要 |
NaBr水溶液を200nmの紫外光で励起して、水和電子の基底電子状態を生成した後、680nmの可視光で水和電子を励起状態に励起し、最後に340nmの紫外光で電子を放出させる3パルス飛行時間光電子分光実験を行った。その結果、励起状態の水和電子からの信号が観測され、基底状態の水和電子のブリーチ信号も観測された。励起状態の信号は100 fs以下で減衰したが、二重指数関数の様相を呈した。このような特徴は先行研究である、水溶液の過渡吸収分光の結果と良く一致した。原著論文にするには新規性が不十分と判断されたが、次年度の研究への重要な足がかりとなった。また、DABCO(1,4diazabicyclo[2,2,2]octane)の水溶液を対象に、紫外光(226nm)励起+紫外光(260nm)観測の光電子分光を行い、リニア型の飛行時間電子エネルギー分析器を用いて、光電子検出角度を規定した時間分解光電子分光を行うことに成功した。
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