超原子価ヨウ素化合物は重金属酸化剤の代替に利用できるなど、グリーン&サステイナブルケミストリーの観点から大変魅力的である。しかし、ヨウ素も資源としては必ずしも豊富とは言い難く、臭素、塩素に比べれば非常に少ない資源の一つである。元素戦略の観点から、レアメタルの代替にヨウ素を用いる触媒反応を見出し、デザイン型ヨウ素触媒を用いる高選択的有機合成反応を開発することを目的にした。具体的には、1価の次亜ヨウ素酸塩触媒を用いるエナンチオ選択的酸化的カップリング反応、3価のヨードシルアレン触媒を用いる脱芳香族化反応、5価のヨードキシアレン触媒を用いるフェノールの位置選択的酸化反応に大別して研究成果を挙げた。
|