高感度・非破壊光電子分光装置の感度が世界最高に達し,有機半導体バンドギャップ中のこれまで測定できなかった電子準位の測定を可能にした。この結果,有機薄膜の界面およびバロク中のバンドギャップ状態の分布を定量的に測定できるようになり,有機薄膜中への不活性気体の進入による分子集合の僅かな乱れがギャップ状態の原因になることが分かった。これによって従来の界面エネルギー準位接続モデルを提案した。さらに電荷移動度に関連して単結晶中のバンド分散などを研究した。これらの研究を発展させ,DIPテンプレート膜を用いてC60薄膜の構造制御を実現し,C60トランジスタの電子トラップを減少させ電子移動度を大幅に改善した。
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