研究課題/領域番号 |
24246017
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
三木 一司 独立行政法人物質・材料研究機構, 高分子材料ユニット, グループリーダー (30354335)
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研究分担者 |
深津 晋 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60199164)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | シリコン / ドーパント / エピタキシャル成長 / アニール / ナノ構造 |
研究実績の概要 |
(1) 局所電子状態導入: スピン源とキャリア源の重畳δドーピング: 特異なナノ構造(ビスマス原子細線)が表面偏析に強い事を利用して結晶成長で埋め込み、アニールによりナノ構造を破壊することによりSi結晶中に局所電子準位を形成、する過程を試みている。本年度は埋め込みをSiでは無くGeに変更し、Mn+Biの重畳δドーピングをSi/Ge界面で試みた。SIMSによりMnとBiが実際にシリコン結晶中に埋め込まれていることを確認し、RT-600℃の範囲でアニール処理を実施した。 (2) 局所電子状態導入: 工学的評価: Mn+Biの重畳δドーピングをSi/Ge界面で試みた試料では、磁気特性に大きなアニール依存性と測定温度依存性が見られ、強磁性が発現している可能性が出ている。磁場強度依存性と、より詳細な測定温度依存性を調べている。 (3) 局所電子状態導入: 基礎的評価: プロセス中の局所構造解析及び構造解析はドーピング機構の解明に必要である。ドーピング構造中のBi濃度が1/8ML、Mn濃度は1/2ML以下と低いことや、埋もれた界面構造であるため、通常の化学結合分析手法やX線構造解析は利用できず、放射光施設の利用が不可欠である。スプリング8のアンジュレータ利用のEXAFS(BL37XU)でのEXAFS測定から、ビスマス原子細線を室温で埋め込んだ際に約半分がドーパントして活性化している事や、Mn鎖をSi及びGe中に室温で埋め込んだ際にかなり活性化している事が分かった。 (4) スピントロニクスデバイスに関する研究: MnをGeで室温で埋め込んだ試料について非局在ホール効果測定用のデバイス構造を試作中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装置故障による予算繰り越し(半年)があったが、装置故障を除けば研究は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って次年度も研究を実施して行く。
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