LSI技術では、シリコン結晶の一部をドーパント原子に置換してキャリア源として利用されてきた。近年研究が盛んになって来た量子情報処理デバイスやスピントロニクスデバイスの開発には、シリコン結晶中の一部を磁性不純物原子に置換してスピン源としての利用が不可欠となる。 本研究では、ナノ構造の特異性を活用して、高濃度のスピン源不純物δドーピング技術の基盤技術を確立した。高濃度のδドーピングはビスマスとマンガンで実現できた。前者は10K程度での利用に限定されるが、多くの研究機関でシリコン結晶中ビスマスドーパントが検討されているように有望な量子情報プラットフォーム候補である。
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