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2014 年度 実績報告書

高強度チタン合金における内部起点型微小き裂の可視化と超高サイクル疲労機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24246024
研究機関北海道大学

研究代表者

中村 孝  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30237408)

研究分担者 柴山 環樹  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10241564)
塩澤 大輝  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60379336)
中井 善一  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90155656)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード疲労 / 内部起点型破壊 / 真空 / 放射光 / き裂伝搬
研究実績の概要

本研究は,大規模放射光施設(SPring-8)を用いて,高強度チタン合金の材料内部に発生する数十μm程度の微小き裂を検出し,その伝播過程を明らかにすることにより,超高サイクル疲労機構の解明を試みるものである.昨年度までに 内部き裂に特化したμCT観察の手法を確立するとともに超小型高応答疲労試験機の開発を終了した.本年度は,これらの成果に基づき,Ti-6Al-4V合金の内部に発生する疲労き裂の発生および進展特性の詳細を μCT観察によって明らかにした.さらに,微小欠陥を有する試験片の高真空中疲労試験を行い,内部き裂の進展速度と高真空中での表面疲労き裂の進展速度の類似点・相違点を考察した.また,内部破壊の破面をSEMにより詳細に解析し, μCT観察で得られた内部き裂の3次元観察像との整合性を調べた.本研究で得られた主な知見を以下のようになる.

(1) μCT観察により得られた内部き裂の形状は,3D-SEMで得られた対応する箇所における断面曲線と極めてよく一致した. すなわち,SPring-8のμCT観察によって,内部き裂の発生・進展過程を忠実に再現することができた.(2) 内部き裂は1*10E-10m/cycle以下の極めて低速で進展した.一方,内部き裂が表面に達した後は,1*10E-7m/cycle程度の高い進展速度で急速に成長した. (3) 内部き裂と高真空中の表面き裂の進展速度は一致した.このことは,き裂進展に与える高真空環境と内部き裂周囲環境の影響が等しいことを示している. (4) 内部き裂が表面に到達した後の進展速度は大気中の表面き裂のそれと同程度であった.(5) 高真空中の表面微小き裂は大き裂の停留限界より低い応力拡大係数範囲でも進展を続けた.(6)以上に述べた(1)~(5)の知見から,Ti-6Al-4V合金の内部破壊が超高サイクル域で生じる現象は,材料内部に発生する亀裂周囲の真空に類似した環境の影響によってほぼ説明することができる.

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Ti-6Al-4Vにおける内部起点型疲労き裂進展の放射光µCTイメージングによる観察2014

    • 著者名/発表者名
      吉中奎貴,中村孝,中山慎也,塩澤大輝,中井善一,上杉健太朗
    • 雑誌名

      日本材料学会第32回疲労シンポジウム講演論文集

      巻: 1 ページ: 223-227

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Ti-6Al-4V 合金における微小疲労亀裂進展に及ぼす真空環境の影響2014

    • 著者名/発表者名
      髙久和明,中村孝,小熊博幸
    • 雑誌名

      日本機械学会M&M2014 カンファレンス

      巻: OS2105 ページ: CD-ROM

  • [雑誌論文] Ti-6Al-4V 合金における材料内部組織の放射光μCT イメージングによる非破壊観察2014

    • 著者名/発表者名
      中村孝,高久和明,吉中奎貴,塩澤大輝,中井喜一,上杉健太朗
    • 雑誌名

      平成26 年度SPring-8 一般課題実験報告書

      巻: 2014A1459 ページ: Web

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Ti-6Al-4V 合金における内部起点型微小疲労き裂の発生および進展初期過程のμCT イメージングによる観察2014

    • 著者名/発表者名
      中村孝,高久和明,吉中奎貴,塩澤大輝,中井喜一,上杉健太朗
    • 雑誌名

      平成26 年度SPring-8 成果公開優先利用課題実験報告書

      巻: 2014A1020 ページ: Web

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 放射光μCTイメージングを用いたアルミニウム合金の腐食疲労におけるピットの成長およびき裂発生過程の4D解析2014

    • 著者名/発表者名
      塩澤大輝,岡田宗大,中井善一
    • 雑誌名

      軽金属

      巻: 64 ページ: 564-569

    • DOI

      http://doi.org/10.2464/jilm.64.564

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Observation of internal small fatigue cracks in Ti-6Al-4V by using synchrotron radiation micro-computed tomography imaging at SPring-82015

    • 著者名/発表者名
      Yoshinaka,T. Nakamura,D. Shiozawa,Y. Nakai,K. Uesugi
    • 学会等名
      International Conference on Advanced Technology in Experimental Mechanics 2015 (ATEM’15)
    • 発表場所
      LOISIR HOTEL TOYOHASHI
    • 年月日
      2015-10-04 – 2015-10-08
  • [学会発表] 高輝度放射光の回折コントラストイメージングによる疲労過程中の転位構造変化の観察2015

    • 著者名/発表者名
      中井善一,塩澤大輝,松田翔太,中尾亮太,淺川直也,菊池将一
    • 学会等名
      日本機械学会関西支部,第90期定時総会講演会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2015-03-16 – 2015-03-17
  • [学会発表] Ti-6Al-4Vにおける内部起点型疲労き裂進展の放射光µCTイメージングによる観察2014

    • 著者名/発表者名
      吉中奎貴,中村孝,中山慎也,塩澤大輝,中井善一,上杉健太朗
    • 学会等名
      日本材料学会第32回疲労シンポジウム
    • 発表場所
      高山市民文化会館
    • 年月日
      2014-11-06 – 2014-11-08
  • [学会発表] Ti-6Al-4V 合金における微小疲労亀裂進展に及ぼす真空環境の影響2014

    • 著者名/発表者名
      髙久和明,中村孝,小熊博幸
    • 学会等名
      日本機械学会M&M2014 カンファレンス
    • 発表場所
      福島
    • 年月日
      2014-07-19 – 2014-07-21

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公開日: 2016-06-03  

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