半導体製造プロセスにおける真空・高温環境下のウェハ保持のための高速着脱可能な固定機構の実現を目的として,微細構造を応用した電気粘着表面の開発を試みた.三次元マイクロメッシュ構造にエラストマを含浸させることで,電界印加に応じて規則的な粘着スポットが生じ,対象物を固定可能な電気粘着表面(EAS)の開発に成功した.片側電極構造を適用したEASは,Siウェハを電気粘着効果により保持することが可能で,高真空環境下でも機能することを明らかにした.また,高温環境下で印加電場に応じた保持力が高まることが実験的に示され,真空・高温プロセスのウェハ保持機構として応用可能性が高いことを確認した.
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