研究課題
強誘電体薄膜をゲート絶縁膜として用いた強誘電体ゲート型パワーMOSFET を試作し、その物性評価、デバイス評価などの実験結果と、強誘電体/極性半導体ヘテロ構造における応力場・分極場の相互作用の理論的解析とをリンクさせることによって、強誘電体ゲート型パワーMOSFET の設計指針と駆動原理を検討し、「巨大分極エレクトロニクス」と言うべき新分野の理論体系を構築することを目標とした。1)パワーMOSFET素子を駆動するためのパワーデバイス用強誘電体としてBiFeO3を開発した。正方晶歪の大きさを0-4%の間で制御することが可能になり、正方晶とみなせるBiFeO3薄膜を得ることができ、d33圧電定数が60pm/Vから90pm/Vへと向上するなど本物質が有する巨大な分極をデバイス中で取り出すための準備が整った。2)新規に開発した大気圧プラズマによってGa2O3やZnOパワー半導体を作成することに成功した。それらの薄膜が低ドナー濃度であり非常に欠陥が少ないことが示唆される結果を得た。また、MOS界面におけるトラップ準位などの低減に新しい道を拓いた。3)反転可能な自発分極を有する強誘電体と反転できない自発分極を有する半導体の接合界面を作製し、自発分極が半導体のキャリア輸送特性に及ぼす影響を精査した。半導体層のみの時の移動度に比べて、強誘電体層を積層した後の蓄積状態における移動度が増加することを見出した。キャリア散乱機構の解析の結果から、強誘電体の自発分極による強い閉じ込め効果に起因していることが示唆された。またノンドープのワイドバンドギャップ半導体(ZnO)上で、強誘電体の自発分極の反転に伴ったキャリア変調が生じることを確認した。これらの知見から、応力場・ひずみ場・電位分布・分極分布・キャリア分布の解析という、非常に複雑ではあるが極めて重要な問題への理論展開が大きく進んだ。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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