巨大津波による橋りょう流失メカニズムの解明と対応策の検証方法の提案

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24246079
• 研究機関: 長岡技術科学大学
• 研究代表者: 丸山 久一 長岡技術科学大学, 工学部, 名誉教授 (30126479)
• 研究分担者: 有川 太郎 独立行政法人港湾空港技術研究所, その他部局等, その他 (00344317) ; 水谷 法美 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10209760) ; 林 和彦 香川高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20334633) ; 田中 泰司 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (40377221) ; 渡辺 健 公益財団法人鉄道総合技術研究所, その他部局等, 研究員 (40450746) ; 細田 暁 横浜国立大学, その他の研究科, 准教授 (50374153) ; 千々和 伸浩 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80546242) ; 鴫原 良典 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 助教 (90532804)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 津波 / 橋梁

研究実績の概要

東北地方太平洋沖地震津波による橋梁被害の評価を行うために、STOCを用いて東日本全体の津波伝播解析を実施した。ここで得た水位・流速の時系列データをもとに、実際の橋梁の流出事象が予測可能かを検証した。流出判定には、平成25年度に実施した定常流の固液２層流体解析より導出した揚力評価式を用いた。その結果、定常流で発生する負の揚力により流出判定を行うと、揚力を考慮しない場合に比べて実際の流出状況をむしろ評価できないことが判明した。定常流による検討だけでは、津波波力の評価は難しいことが明らかとなったので、平成25年度に引き続き、非定常流における抗力と揚力について、水理模型実験と数値解析の両面から検討を行った。その結果、水位上昇に伴って橋梁の上面に渦が生成し、その中の動圧が小さくなることによって、流れの中で揚力が発生することが明らかとなった。定常流では橋梁の前後で水位差が大きくなり、渦の成長が妨げられていた。これに対し、水位上昇を伴う非定常流れでは橋梁前後の水位差が小さくなり、渦の生成と成長が容易にとなることが判明した。パラメトリックな実験・解析により、流れの中で橋桁に作用する揚力をほぼ把握するに至っている。
鉄道橋に作用する波力については、固気液連成解析コードを開発し、実験と解析の両面から検討を行った。鉄桁橋の場合には、道路橋と異なり、鉛直方向の開口部が多いため、発生する揚力は比較的小さかった。壁高欄を有するラーメン桁橋に対して定常流による実験を行ったところ、橋桁の前後で大きな水位差が生じ、それによる抗力および転倒モーメントによって被害が生じたと推定された。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Study on TSUNAMI Force Acting on Bridges (2014)
  • 著者名/発表者名: Y. Tanaka, K. Maruyama, N. Kenmotsu and M. Watanabe
  • 雑誌名: proceedings of YRGS 巻: 2 ページ: 47-52
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 橋梁に作用する津波流体力の解析的検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 監物希美，田中泰司，丸山久一，工藤進平
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2（海岸工学） 巻: 70 ページ: 846-850
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 流速および圧力状態に着目したPCT形桁に対する流体力に関する一考察 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大野又稔, 渡辺 健, 河村佳英, 岡本 大, 本田隆英
  • 雑誌名: 土木学会第69回年次学術講演会講演概要集 巻: 69 ページ: 15-16
• [雑誌論文] 一様流作用下におけるコンクリート鉄道橋りょうに働く流体力に関する研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 渡辺 健，河村佳英，大野又稔，岡本 大，織田幸伸
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2(海岸工学) 巻: 70 ページ: 856-860
  • 査読あり
• [雑誌論文] 橋桁に作用する津波による波圧および波力 (2014)
  • 著者名/発表者名: 中村 友昭, 澤 祐太朗, 水谷 法美
  • 雑誌名: 土木学会論文集B3（海洋開発） 巻: 70 ページ: 408-413
  • 査読あり
• [雑誌論文] 橋桁に作用する津波波力の水平成分及び鉛直成分の評価 (2014)
  • 著者名/発表者名: 庄司 学，清水裕文，水野魁人，藤間功司，鴫原良典
  • 雑誌名: 土木学会論文集A1（構造・地震工学） 巻: 70 ページ: 616-627
  • 査読あり
• [雑誌論文] 確率論的手法を用いた海底地すべり津波波源の推定－メキシコ湾への適用－ (2014)
  • 著者名/発表者名: 鴫原良典，Juan Horrillo
  • 雑誌名: 土木学会論文集B2（海岸工学） 巻: 70 ページ: 281-285
  • 査読あり
• [雑誌論文] 下水道施設における地震・津波対策の効果的対策規模の基礎検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 原田賢治，鴫原良典，瀬尾直樹，小西康彦，山崎宣良，松本貴久，砂坂善雄，小黒明，石野好彦，長谷川浩市，鈴木一仁
  • 雑誌名: 地震工学研究発表会講演論文集 巻: 34 ページ: 662
• [学会発表] 流れによる圧力低下を考慮した橋桁に作用する鉛直津波力の算定手法に関する一考察 (2015)
  • 著者名/発表者名: 澤祐太朗，中村友昭，水谷法美
  • 学会等名: 土木学会中部支部研究発表会
  • 発表場所: 豊橋技術科学大学
  • 年月日: 2015-03-06 – 2015-03-06
• [学会発表] 橋桁に作用する水平・鉛直波力の計算精度に関する検討 (2015)
  • 著者名/発表者名: 中川太介，鴫原良典，林建二郎
  • 学会等名: 第42回土木学会関東支部技術研究発表会
  • 発表場所: 東海大学
  • 年月日: 2015-03-05 – 2015-03-06
• [学会発表] 津波による養殖筏の漂流に関する数値実験 (2015)
  • 著者名/発表者名: 日高智耶，鴫原良典，ホソン，林建二郎
  • 学会等名: 第42回土木学会関東支部技術研究発表会
  • 発表場所: 東海大学
  • 年月日: 2015-03-05 – 2015-03-06
• [学会発表] 津波によって漂流する複数の船舶に関する水理実験と数値計算 (2015)
  • 著者名/発表者名: ホソン，鴫原良典，多田毅，林建二郎
  • 学会等名: 第42回土木学会関東支部技術研究発表会
  • 発表場所: 東海大学
  • 年月日: 2015-03-05 – 2015-03-06
• [学会発表] 海底地すべりによる津波に関する確率論的評価手法 (2015)
  • 著者名/発表者名: 鴫原良典
  • 学会等名: 原子力土木委員会 津波評価小委員会 講演会
  • 発表場所: 弘済会館
  • 年月日: 2015-01-22 – 2015-01-22
  • 招待講演
• [学会発表] Assessment of Landslide-Tsunami Hazard for the Gulf of Mexico Using a Probabilistic Approach (2014)
  • 著者名/発表者名: Alyssa Pampell, Juan Horrillo, Yoshinori Shigihara and Lisha Parambath
  • 学会等名: AGU 2014 Fall Meeting
  • 発表場所: The Moscone Center
  • 年月日: 2014-12-14 – 2014-12-18
• [学会発表] 橋桁に作用する津波波力のモデル化 (2014)
  • 著者名/発表者名: 庄司学，鴫原良典
  • 学会等名: 第14回日本地震工学シンポジウム
  • 発表場所: 幕張メッセ国際会議場
  • 年月日: 2014-12-04 – 2014-12-06
• [学会発表] 確率論的手法による海底地すべり津波波源推定手法のメキシコ湾への適用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 鴫原良典，Juan Horrillo
  • 学会等名: 日本地球惑星科学連合年次大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜・会議センター
  • 年月日: 2014-04-28 – 2014-05-02