研究課題/領域番号 |
24246081
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
幸左 賢二 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00315160)
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研究分担者 |
廣岡 明彦 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70238400)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 津波 / 橋梁 / 橋梁被害 / 津波対策 / 東日本大震災 |
研究実績の概要 |
本年度は以下の3課題に取り組んだ。 1)上部構造への津波作用力評価:河川を遡上する際に津波先端部に見られる砕波段波上の波が橋梁に作用する場合および後続的な定常流が作用する場合を想定し,波高,流速と桁形状をパラメータとし,作用力,波高,流速,圧力の測定を行い,それぞれの計測値から桁への作用力を分析した。 2)橋台への津波作用力評価:橋梁全体系を模擬した水理実験より,橋台間(桁下空間)に津波が流入するような三次元水理模型実験を行い,既往の2次元直立構造物を対象とした波圧式に対する本実験結果から得られた波圧特性を比較した。 3)陸前高田の津波被害分析:襲来した津波の模様を撮影した画像が多数存在する陸前高田市を対象に,映像分析と数値解析に基づく津波特性の分析から,気仙川の遡上状況および気仙大橋の流出メカニズムを明らかにするととともに,津波によって大きく損壊した海岸堤防に着目し,海岸堤防をパラメータとした数値解析により,津波に対する海岸堤防の減勢効果を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
博士課程学生2名修士学生3名とともに実験的検討および現地調査(4回延べ20名)を実施し,査読付き論文7編などのめざましい成果を上げている。これらの成果を取りまとめることにより,構造物の耐津波設計法が提案できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
1.東日本大震災による橋梁被害分析:過年度の5か所に対する画像および数値解析結果を比較することにより,東日本大震災による津波被害の特徴を取りまとめる。 2.孤立波性状に対する検討:過年度の波高,桁高,桁幅をパラメータとした実験結果を取りまとめ,孤立波タイプに対する波圧算定式を提案する。 3.定常流性状に対する検討:過年度の流速,桁高,桁幅をパラメータとした実験結果を取りまとめ,定常流タイプに対する波圧算定式を提案する。
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