研究課題
鋼製下地在来工法天井に対する幾何学的非線形動的解析による検討により、吊りボルトに発生する不安定現象が地震時における大規模な天井落下被害の一原因になりえることを示した。また、鋼製下地材間の接合金物の開発が進む一方で、未だ不明な点が多い天井仕上げ材と鋼製下地材間のビスの頭抜け挙動について、ビス頭の直径をパラメータとした実験を行うことでビス接合部の耐力を定量的に明らかにした。また、システム天井の典型的な仕様であるシングルライン天井において、水平方向の慣性力により天井を支持するCチャンネルが周辺壁面を貫通する破壊が生じる可能性があるため、振動台実験によりフロアレスポンスとCチャンネルの軸力の関係を調べ、軸力が壁面との衝突等の影響で床加速度から算定する慣性力より増幅されることを明らかにした。また、配管振れ止め金物の静的繰り返し載荷実験を行い、振れ止めの支持点と配管の重心位置とが離れている場合に、配管に大きな水平力が加わると、吊りバンドと振れ止め支持点の間の吊りボルトに大きな力が集中し、吊りボルトが破断する現象を再現した。このことから、配管の耐震性能を検討する上で、配管吊りバンドおよび振れ止め金物接続部の構造も重要であることを示した。さらに、建築設備に用いられる天吊り機器とそれに接続されるダクト、配管の地震時挙動への応答を把握するため振動台実験を行い、天吊り機器と支持する吊りボルトが衝突現象による剛性の低下、機器へのブレース非設置時おける共振による吊りボルト破断が実験的に再現されるとともに、機器類の崩落や破断に至る過程を評価するためのデータ収集が成された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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