研究課題
新しい構造ファミリーに属する新規酸化物イオン伝導体を発見すれば、酸化物イオン伝導体の応用の革新的発展へ向けた新しい扉を開けると期待される。また、酸化物イオン伝導経路を調べて伝導機構を明らかにすることはイオン伝導体の開発に役立つ。本研究課題では新しい層状ペロブスカイト関連構造をデザインするために、d10元素Bを含むAA'BO4の様々な化学組成を調べた。AA'BO4のAとA'は大きな陽イオンであり、Bは小さな陽イオンである。この研究で多くの化学組成を調べた結果、酸化物イオン伝導性材料の新しい構造ファミリーであるNdBaInO4を発見した。合成したNdBaInO4試料は、新しい結晶構造を持つ単斜単相(空間群はP21/c)であり、イオン伝導性を示すことを見出してChem.Meter.に速報で報告した。また、NdBaInO4の酸化物イオンの拡散経路を結合原子価法により可視化した。酸化物イオンはA-O(Nd-O)ユニット内を二次元に移動することがわかった。さらにSrをNd席に10 mol%添加することによりイオン伝導度が30倍向上することを見出してJ.Mater.Chem.Aに報告した。また、様々な関連物質を合成、電気伝導度を測定し、関連物質を広く網羅する物質構造特許(米国、韓国、日本)を出願し、取得した。このように、本課題では、d10金属酸化物新イオン伝導体の構造デザインに成功し、23組成もの新物質の合成を成し遂げた。また、d10元素Bを含む様々な化学組成のAA'BO4を合成して、結晶構造の温度依存性および電子密度解析を行い、熱膨張の異方性の構造的要因を原子・電子レベルで明らかにし、Inorg.Chem.などの国際学術誌3報で報告した。関連した研究では、PrBaCo2O5+δやセリア関連化合物の結晶構造を幅広く研究し、イオン拡散経路を明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
本成果に関連した研究室メンバーの受賞6件
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (28件) (うち招待講演 7件) 図書 (5件) 備考 (5件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
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