| 研究課題/領域番号 |
24246111
|
|---|
| 研究機関 | 東北大学 |
|---|
研究代表者 |
新家 光雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50126942)
|
|---|
| 研究分担者 |
仲井 正昭 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20431603)
稗田 純子 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40566717)
趙 研 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (00633661) [辞退]
劉 恢弘 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40748943)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
| キーワード | 生体用金属材料 / ユビキタス元素 / 固溶強化 / 力学的特性 |
|---|
| 研究実績の概要 |
研究代表者らにより開発されたTi-29Nb-13Ta-4.6Zr合金（TNTZ）は、無毒性・非アレルギー元素のみで構成され、溶体化状態において、骨の弾性率に比較的近い弾性率を示す。しかし、溶体化状態のTNTZの強度は、従来から医療用に使用されているTi-6Al-4V ELI合金に比べると低く、改善の余地がある。酸素は、チタン合金に添加すると、通常、固溶強化により強度は上昇するが延性が低下する。一方、TNTZでは、酸素の添加により弾性率を比較的低く抑えつつ強度を上昇させることができるが、これに加え、酸素添加量の増加により延性が一旦低下するが再び上昇するという通常の傾向とは異なる特異な現象が見出されている。そこで、本年度は、TNTZの延性の酸素添加量依存性の原因を明らかにするため、低濃度と高濃度の酸素を添加したTNTZの変形挙動の解析を試みた。その結果、酸素濃度に依存して、変形中に活動するすべり系に違いが認められた。この違いが、酸素を添加したTNTZの高延性に寄与していると考えられる。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
酸素を添加したTNTZのすべり系を解析することにより、その特異な変形挙動の理解が進んだ。
|
| 今後の研究の推進方策 |
TNTZにおける酸素添加による特異な力学的特性の発現機構については、本年度のすべり系の解析によりその理解が大幅に進んだが、未だ不明な点が残されている。そこで、次年度も引き続き検討を継続し、さらに詳細な発現機構の解釈を試みる。
|
