大規模太陽光集光熱を利用する熱化学水素製造法「ソーラーISプロセス」に必要不可欠な硫酸分解触媒の候補物質としてCu-V酸化物を見出した.硫酸蒸気中で安定なバナジン酸塩構造と酸化還元が容易なCuとの相乗効果によって,600 °C付近の低温域で高いSO3分解活性を示した.3-DメソポーラスSiO2に含浸担持した触媒をCu-V酸化物の融点以上で加熱するとメソ孔への融体の浸透とSiO2の溶解再析出に伴って,メソ孔からマクロ孔への変換を生じ,活性相が高分散化した.この結果得られる触媒は幅広い空間速度においてPt触媒を上回るSO3分解活性を達成する初めての酸化物触媒であることが明らかになった.
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