研究課題/領域番号 |
24246134
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 浩 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00226250)
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研究分担者 |
古澤 力 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, その他 (00372631)
平沢 敬 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (20407125)
吉川 勝徳 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20599279) [辞退]
松田 史生 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50462734)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 進化工学 / マルチオミクス / ストレス耐性 / 物質生産 / ゲノムスケールモデル |
研究実績の概要 |
生物機能を利用した再生可能資源からのバイオ化成品、バイオ燃料生産プロセスの開発が注目されている。微生物を細胞工場として高度化するためには、バイオプロセスにおいてストレスに耐性を賦与することが重要である。本研究では、大腸菌の長期植え継ぎ培養自動化システムを開発し、バイオ化成品生産のためのストレスに対して耐性を獲得した進化株を取得する。進化株と親株をマルチオミクス解析し、両株における細胞内状態の差異を解明する。また、ゲノムスケールの代謝反応モデルを用いてin silico予測された目的物質生産のための代謝経路デザイン株をバイオプロセス環境に適応進化させることにより、生産最適化株を創製する。こうした研究を統合的に進めることにより、バイオ燃料・化成品生産のための大腸菌細胞工場を創製する。 本年度は、開発した長期植え継ぎ培養自動化システムを用いて、乳酸、ブタノールなど10種の化学物質の蓄積によるストレスに対して、環境に適応進化した個体が濃縮され選択されることを確認し、優良な株が得られることがわかった。次に、高エタノール濃度存在下で耐性を示す複数の実験進化株に対し、時系列的に進化の過程を追跡可能なゲノム変異解析、遺伝子発現解析、細胞内代謝物質の網羅的測定データを解析した。遺伝子型、細胞内状態の変化が表現型にもたらす影響について詳細に調べた。また、これらの情報の統合解析について検討した。 さらに、ゲノムスケールモデルを構築し、微生物の代謝をシミュレートできる手法を開発した。このシミュレーションにより3ヒドロキシプロピオン酸生産において増殖と連動して生産性を向上させるための代謝改変について解析し、3ヒドロキシプロピオン酸生産を向上させることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度までに、計画通り、進化株を取得のため大腸菌の長期植え継ぎ培養自動化システムを開発し、複数のストレスについて適用した。また、進化株と親株をマルチオミクス解析するための基盤技術も同時に開発しエタノール耐性株につい応用を始めている。シミュレーション手法も開発でき、生産性を向上させる遺伝子改変も成功しており、研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度は開発した長期植え継ぎ培養系を用いて多数のストレスに対する、耐性株の取得を行う。複数のストレス環境下で時系列的にストレス耐性の度合いを評価し、菌株を保存してライブラリを作成する。また一つのストレスに耐性を示す株が他のストレスに対してどのような形質を示すか解析する。さらに、進化過程を追跡するために、ゲノムのリシークエンス、遺伝子発現量の網羅的解析、代謝物測定データを統合解析し、ストレスに強い形質を与える要因を解析する。また、シミュレーションにより物質生産と増殖が連動するような系を予測し、これを実証する株を構築する。
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