研究課題/領域番号 |
24246138
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
齋藤 芳隆 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50300702)
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研究分担者 |
秋田 大輔 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30435812)
後藤 健 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (40300701)
中篠 恭一 東海大学, 工学部, 准教授 (60408028)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 科学観測気球 / スーパープレッシャー気球 / 膜構造物 / 網 / 非線形有限要素法 |
研究実績の概要 |
平成25年度に開発した尾部構造、および、網の取付方法を用いて体積5,000 m3のスーバープレッシャー気球を製作すると共に飛翔試験用のゴンドラを製作し、平成26年6月の飛翔試験に臨んだが、飛翔機会が得られなかった。そこで、代替として、地上での膨張破壊試験を平成26年9月に行ったところ、気球引き裂き機構の気球頭部側のフィルムが、引き裂き機構部に伸びが小さく、かつ貼り付け後に縮むフィルムを貼り付けていることに伴う応力集中のため破壊し、十分な耐圧性能が得られない、という問題が判明した。このため、引き裂き機構部の補強と、網をフィルムよりも短くしてフィルムへの応力を下げる改良を行い、平成27年6月に地上での膨張破壊試験を実施した。その結果、一部のフィルムが展開せず、非対称な形状に膨張し、網の一部に応力が集中し破断する問題が判明した。ゴア形状を細長くするという改良を提案し、平成27年11月に体積10 m3の気球をその方法で製作し、地上膨張試験により対策の有効性を確認した。この方法で体積2,000 m3の気球を製作し、地上膨張試験を実施したところ、耐圧性能1,000 Paの達成が確認された。この気球の重量は54 kgと極めて軽く、40 kgのペイロードを搭載して高度22 kmの上空を長時間飛翔させることが可能な性能である。これは、我が国で初めて実用的な小型スーパープレッシャー気球が成立することが示された実験であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地上試験において性能の確認を完了することができたが、年度当初に計画していた飛翔試験での実証までは完了できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
現状の製作方法では、理想的な場合の3割程度の耐圧性能を引き出しているにすぎない。この原因を探り、改善案を検討する。
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