| 研究課題/領域番号 |
24246141
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
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研究代表者 |
藤井 孝藏 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50209003)
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| 研究分担者 |
李家 賢一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20175037)
野々村 拓 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (60547967)
安養寺 正之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, プロジェクト研究員 (70611680)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | 航空宇宙工学 / プラズマ |
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| 研究概要 |
申請者らの過去の研究成果も含め，DBDプラズマアクチュエータによる翼廻り流れ制御に関する研究結果を可能な限り集め，それに基づいて流れ制御で重要な役割を果たすと想定される制御パラメータを検討・選出した．得られた制御パラメータを設計変数とし，剥離制御の評価指標として二次元翼模型表面の前縁付近と後縁の圧力値等を目的関数として，小型低速風洞実験を利用した遺伝的アルゴリズムによる制御方法最適化を行った．限られた条件下ではあるが，アクチュエータに印加する電圧波形の振幅,基本周波数,バースト比,及びバースト周波数の最適値に関する情報を得ることができた.探査結果からは制御メカニズムを示唆する知見が得られ,遺伝的アルゴリズムの実験計画への適用の有用性が示された.制御を左右する無次元パラメータや新たなメカニズム発見につながる成果であり，2013年夏の国際会議で発表予定である.
実用化に向けたもう１つの課題である高レイノルズ数流れへの適用に関して，高速気流での風洞試験を開始した．近年ナノパルス波の利用による高速気流制御の可能性が指摘されている．そこで，ナノパルス発生用の電源を購入し,その特性を確認した．ベンダーの協力を得て回路等を工夫することにより数百ナノ秒レベルのパルスを作ることができた．気流なしの条件下における高速度カメラ/シュリーレン撮影によりナノ秒パルスの誘起する流れ場を観測した.交流高電圧が誘起する流れ場と異なり，パルス上の瞬間衝撃波の発生が確認できた.高速気流での本格的な流体制御試験に向けて，大型の遷音速風洞における定常圧力計測,オイルフロー計測など計測システムを確認し,前段階としRe=10^6の翼廻り流れの基本計測を行い，得られた翼面圧力を数値計算の結果と比較して両者の結果の妥当性を確認した.次年度の本格計測に向けた準備を行として，翼模型表面へのアクチュエータ適用法を検討した.
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノパルス発生に手間取ったが，およそ予定通りに進んでいる．高速度シュリーレン撮影によりナノ秒パルスの誘起する流れ場が確認できたこと,遺伝的アルゴリズムを用いた最適制御探査から制御メカニズムに関する知見を獲得できたことなど,基礎となる部分の成果が得られている.成果発表など初年度の成果取り纏めが一部残されているが,研究目的に沿っておよそ順調に研究は進んでいる.
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| 今後の研究の推進方策 |
継続して,多目的設計探査手法を活用し，小型風洞（低レイノルズ数流れを対象）を利用した2次元翼型でのDBDアクチュエータ稼働実験を進める．本年度は小型低速風洞でのPIV測定装置の拡張を行う．特にレーザ出力の増強を図ることによりこれまでより高い時空間解像度で流れ場情報を得る．新たな詳細計測により，低レイノルズ数流れ制御を司るメカニズムにおいて重要な役割を担っている付着時の層流剥離泡の特性を明らかにすることで最終的なDBDアクチュエータの設計に結びつけたい．設定パラメータが膨大にあり，すべて変化させる多数ケースの実験が困難であることから，前年度実施のデータ探査解析から得られた知見を元に特定の条件下での実験を集中的に進める．これにより，種々の設定パラメータ（アクチュエータ駆動の基本周波数，バースト周波数，電圧，波形，物体形状，電極サイズ，貼り付け位置など）のアクチュエータ効果への影響に関する情報をさらに整理していく．
成果は，昨年同様アメリカ航空宇宙学会等で公表する.昨年度開始した数値シミュレーションによる中程度のレイノルズ数領域（10^5オーダー）のデータを加え，上述の設定パラメータ，結果として生ずる局時流動，得られる制御効果などを整理し，物理現象に基づいた特徴的無次元パラメータの構築につなげる．
ナノ秒パルスによる制御については，まずは流れ条件などをさまざまに変え，制御の可能性を確認する．制御の可能性が確認でき次第，これをベースに遷音速風洞における本格的な流れ場計測を行う．年間2回の実験機会のみなのでこれを有効に利用して研究を進めていく．
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