研究課題
我々がこれまでに蓄積してきた超伝導技術をベースとして、海洋に無尽蔵に存在する水素エネルギーを製造・貯蔵・輸送するために、新しい応用展開を図っている。海流MHD(Magneto-Hydro-Dynamics;電磁流体力学)発電/水素発生に関する研究(テーマA)と液体水素のスロッシング(液面揺動)に関する研究(テーマB)に分けて、主に以下の研究成果を得た。海流MHD発電/水素発生に関する研究(テーマA):新型(ヘリカル型)海流MHD発電/水素発生器の発電特性等を明らかにするために、製作した小型発電セルを用いて同特性に及ぼす電磁ブレーキの影響を調べた。特に、模擬発電状態における磁場印加時の電流と圧力損失の関係に着目すると、電流に対する圧力損失の傾きと磁場の関係が線形近似できることがわかった。これは理論と定性的に一致している。また小型発電セル内における電気分解特性を調べたところ、電圧印加順方向に関して印加磁場が大きくなるほど電気分解電圧が小さくなる傾向が見られた。液体水素のスロッシングに関する研究(テーマB):舶用液体水素タンク内部のスロッシング状態を解明するために、中型容器を対象として、長さ500 mmの外部加熱型超伝導MgB2(二ホウ化マグネシウム)長尺液面センサーを用いて、液体水素のスロッシング計測を行った。センサー出力電圧と高速度カメラの画像データを比較したところ、液面誤差の平均値は±4 mm程度、また応答時間の平均値は0.15 s以内であることがわかった。さらに、作製した長尺MgB2線材全体の超伝導特性の均一性を明らかにするために、長さ20 mmのショートサンプルを対象として、超伝導特性の個体差を詳しく調べた。その結果、サンプルを切り取った場所に関係なく、超伝導特性のやや異なるサンプルがまばらに存在した。しかし、5本の長尺液面センサーの出力信号には個体差は見られなかった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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