研究課題
本研究では、運転領域を拡大することにより立体磁気軸ステラレータ型の磁場配位の最適化の調査研究をするための、プラズマの高ベータ化と良好な高エネルギーイオン(アルファ粒子)閉じ込めの両立性研究基盤の確立を目指すことを目的とする。本年度は、前年度の調査結果、実験結果と、本研究の効率的な進展を踏まえて、既設電極バイアス実験用ターゲットプラズマ源の改造は行わずに、高周波電源による電極バイアス実験用ターゲットプラズマ源のプラズマ生成条件の調査とプラズマ源の設計製作に重点を置いた。プラズマ源の設計製作においては設計、製作が完了し、初期プラズマ生成に成功した段階にある。また、本学で開発された電極バイアス法を利用し、高密度で大きな径方向電場を持つプラズマ生成を目指した閉じ込め改善モード遷移条件の実験的調査も同時に進展させた。径方向電場分布計測、蓄積エネルギー計測、磁場揺動計測、密度、ポテンシャル揺動計測、イオン温度計測、ポロイダル流計測に重点を置き、閉じ込め改善モード遷移条件の詳細化を進めた。イオン温度計測、ポロイダル流計測においては、前年度よりさらに高分解能化に成功し、異種イオン間での遷移条件の差異を取得した。さらに、高エネルギーイオン注入によるアルファ粒子閉じ込め性能の原理検証のために、水素吸蔵電極による逆電圧バイアス法の適応性の調査を開始している。既設の低周波電源による電極バイアス実験用ターゲットプラズマに水素吸蔵電極による逆電圧バイアス法を適用し、プローブ法により高速イオンの存在を示唆する結果を得ることに成功した。さらに、高磁場条件下での健全なバイアス実験遂行の為の情報収集が着手された。得られた結果を基にして、得られた調査結果、実験結果を取りまとめて学会発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
高密度で大きな径方向電場を持つプラズマ生成を目指した目標においては、電極バイアス実験用ターゲットプラズマの放電条件を詳細に調査し、本学で開発された電子注入式電極バイアス法による電極バイアス法による閉じ込め改善モード遷移を利用して大きな径方向電場を持つプラズマ生成に成功している。また、遷移条件の調査においては、特に、径方向電場分布計測、蓄積エネルギー計測、磁場揺動計測、密度、ポテンシャル揺動計測、イオン温度計測、ポロイダル流計測に重点を置いて詳細調査した。イオン温度計測、ポロイダル流計測においては、前年度よりさらに絶対値計測の高分解能化に成功し、異種イオン間での遷移条件の差異を取得した。水素吸蔵電極による逆電圧バイアス法の適応性の調査においては、既設の低周波電源による電極バイアス実験用ターゲットプラズマに水素吸蔵電極による逆電圧バイアス法を適用し、プローブ法により高速イオンの存在を示唆する結果を得ることに成功した。高周波電源による電極バイアス実験用ターゲットプラズマ源のプラズマ生成条件の調査とプラズマ源の設計製作においては、設計、製作、組み立てが完了し、初期プラズマの点火に成功している。さらに、高磁場条件下での健全なバイアス実験遂行の為の情報収集が着手された。
前年度の成果を踏まえて、本年度は、既設、新設(本経費による)高周波電源による電極バイアス用ターゲットプラズマ源のプラズマ生成条件と高エネルギー粒子発生条件の実験的調査に重点を置く。また、本学で開発された電子注入式電極バイアス法、水素吸蔵電極による電極バイアス法による高密度で大きな径電場を持つプラズマ生成を目指した閉じ込め改善モード遷移条件調査のための実験結果の詳細検討も同時に進展させる。遷移条件調査においては、特に蓄積エネルギー計測結果、密度、ポテンシャル揺動計測結果、磁場揺動計測結果、径方向電場分布計測結果、ポロイダル流計測結果、分光法によるイオン温度、イオン流速計測結果に重点を置く。アルファ粒子閉じ込め性能の原理検証実験用に用いる高エネルギー粒子発生装置の詳細なイオンビーム生成条件調査、高エネルギーイオン注入条件調査を実験的に進展させる。損失高エネルギーイオン計測にはグリッドエネルギーアナライザー、分光法、プローブ法を使用する。また、粒子軌道計算コードにより、各コイル間の電流比をフリーパラメータとして、高エネルギー粒子閉じ込めを主眼に、立体磁気軸ステラレータ型の磁場成分の最適化を行う。さらに、高磁場下での高エネルギー粒子発生装置の耐性試験の為の情報収集を行う。
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Plasma and Fusion Research
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