研究課題
基盤研究(A)
森林生態系の樹木群集は、従来、撹乱からの再生過程に沿った耐陰性の異なる種間の分化や水平分布不均質性、確率的な種交代の観点から解析されてきた。これに対し、本研究では、多層構造を組み込んだ競争方程式を用いて、光資源勾配にのみ制限される水平的に均質な系でも、葉群の垂直分布や樹冠特性の分化を介して、多種の共存解が安定である条件(平橋共存条件)と不安定である条件を理論的に整理した。熱帯林から亜高山帯林に至る森林の観測データの解析に基づいて、各仮説の検証を行い、生活史および樹冠形質パラメータの種間トレード・オフの共存影響を明らかにするとともに、種内可塑的変異と種間分化を区別して同時解析する手法を開発した。
植物生態学・群集生態学