研究課題
H26年度はimportin αと高次生命現象の関わりを明らかにするために、以下の解析を行った。(1)核輸送因子importin αに結合する老化関連因子RBBP4について、その分子相互作用のメカニズム及び生理的意義の解析を進めた。通常の典型的核移行シグナル(NLS)を持つ輸送基質はimportin αのアルマジロリピート領域に結合するのに対して、RBBP4はimportin αのimportin β結合ドメイン(IBBドメイン)に結合することが分かった。そして、importin αとimportin βの解離を促進する活性があることが分かった。また、RBBP4をノックダウンすると核輸送効率の低下が見られ、また細胞老化マーカーであるSA-β-galactosidase活性やp21発現の上昇が見られた。以上のことから、細胞老化と核輸送の密接な関連が示唆された。(2)卵細胞で高発現するimportin α8について機能解析を行った。その結果、プロテオーム解析で得られた結合因子(輸送基質候補因子)のリコンビナントタンパク質がimportin α8に実際に結合し、またその結合依存的に核へと輸送されることが分かった。(3)脳の高次機能における核輸送因子importin αの重要性を明らかにするためにimportin-alphaノックアウトマウスの解析を行った。Importin-alpha3およびimportin-alpha5ノックアウトを用いた解析を現在も引き続き行っており、運動能力、認知性、社会性など様々な脳の高次機能におけるimportinの役割について解析を進めている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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