本研究は、脳を含んだ全身の循環調節を、特に精神作業に伴うストレスとの関係において調べることを目的として計画された。研究では、正弦波下半身陰圧負荷による動的な全身的血液移動に対して、血圧、心拍出量、心拍数、総末梢血管抵抗、中大脳動脈血流速度、大脳皮質ヘモグロビン濃度変化などを連続的に同時計測するシステムを構築した。さらに、この計測システムを使って、暗算タスクや純音提示によるオドボールタスクなどの精神的課題が、全身の循環調節に与える影響について検討を行った。その結果、脳を含んだ循環調節の全身的協関を評価することに成功し、精神作業や脳機能との関連について新しい知見を得た。
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